アイディアを絞り出す
はじめに
ジャグリング、特にディアボロという道具を用いたパフォーマンスで、私はここ数年毎年1月ごろに何故かネタを絞り出している。ここでいうネタというのは所謂モノボケに近く、ディアボロの新しい使い方による魅せ方の提示方法を指す。これは「静岡ディアボロコンテスト」のパフォーマンス部門での演技内容のアイディア出しで毎年(勝手に)苦しむ私の思考をまとめるものである。多分。違うかもしれない。
ディアボロとは
ディアボロをご存知でない方もいらっしゃると思うので説明すると、以下の動画で行われているようなものである(投げやり)。
https://youtu.be/JjBhIUgcIok
言葉で説明すると、お椀の底同士をくっつけたような形をしているコマ(ディアボロ)を、先端を紐で繋がれた棒(ハンドスティック)を使って操るものである。
静岡ディアボロコンテストとは
静岡ディアボロコンテスト(以下静ディア)とは、毎年1月に静岡県静岡市で開催されるディアボロのイベントで、今年は1月26日(土) 27日(日)に開催される。
https://shizudiaweb.wixsite.com/2019
主催曰く日本一楽しいディアボロイベントを目指していて、事実楽しい。ご都合のつく方は会場へGOだ。
パフォーマンス部門
2014年から毎年開催されている静ディアで毎回私が参加している部門がパフォーマンス部門である。この部門は技術以上にパフォーマンス要素の審査項目の比重が大きい。そのため競技会とは異なるエンターテイメント寄りのディアボロを見ることができる(と私は思っている)。
初期の頃は普通にディアボロを用いた演技で出場していたが、いつしか普通ではないディアボロの使い方での演技を作って出場するようになっていた。おそらく2016年頃からだろう。
https://youtu.be/tVanZpgMXP0
この年以降、あからさまに通常の使用方法から逸脱した方法でディアボロを扱う演技をしている。なぜだろう。自分でも時折疑問に思うが止められない。
ネタのアイディアを絞り出す
通常の使用方法から逸脱した方法でディアボロを扱うと言う事は、その逸脱する方法を考えなければならない。それに毎回苦しんでいる。(苦しむならやらなきゃいいのにと言う声が聞こえてきそう。わかる。)
基本的には毎回何かしらのコンセプトがあり、それに基づいて3から5分の構成を作っている。例えば2017年の場合、「紐邪魔だよね」と言う本心半分ジョーク半分なセリフが時々耳に入り、「本当に紐は邪魔なのか?」ということを証明すべく、紐を使わないディアボロの演技の構成を作った。採点対象となるのはディアボロを使った技に対してなので、ハンドスティックだけを扱うパートはもちろん採点対象外だが、紐がないことにより自由となったハンドスティックを使わない手はなかった。点数には入らなかったが、投げ始めた瞬間に起こった割れんばかりの歓声と拍手は最高に気持ちよかった。
https://youtu.be/k_tvM4nvTOk
何かきっかけがあると方向性が定まり、技を作り構成も作れる。そのきっかけを見つけるのが毎回苦労するところである。そのきっかけを見つけるためには多くの情報に触れて、それらをディアボロと関連付けさせる必要がある。どんなに些細でも、どんなにしょーもなくても、一旦アウトプットしておけば将来どこかで使える可能性がある。例えば昨年2018年のネタは詳しくは秘密だが、2017年の夏ごろ(?)に遊んでいた時に思いついたことをベースに発展させた。いつどこで何がが化けるか分からないので、皆さんも変なことストックはあるといいよ。
1つコンセプトが生まれてもそれが採用されるかはわからない。実際にやってみて、この技を見たときにお客様がどんな反応するかを妄想してみて、盛り上がらないだろうなぁと思ったら不採用。ただしもしかしたらどこかで使えるかもしれないのでストックはしておく。このようなことをしているので、裏ではボツネタが大量生産されていたりする。
不安と達成感の均衡
新しいことをやると言う事は、このネタがどのように評価されるのか、どのような反応をもらえるのかということがとてつもなく不安な要素となる。それでも会場から割れんばかりの拍手や歓声が起こると、そんな不安よりも盛り上がりの方が気持ちよく味をしめてしまう。しめてしまった。そんな味を知ってしまったらネタに走るのをやめられるわけがないじゃないですか。だからどれだけ悩んでもウケるかわからず不安でも、ネタを絞り出している。それと同時に、「この人は毎年新ネタを出す」と思われている(と勝手に妄想している)ので、ここで引き下がるわけにはいかない!!!と言う意地もある。意地というか、引くに引けなくなったとも言うが…
おわりに
2019年の静ディアのネタが決まらなくて比較的やばい。それでも本番は来てしまうので皆んな絶対に会場に来てくれよな。