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オーセンティックなBAR


 オーセンティックなBARに行きたいんじゃ。

 最近「やちゅださんの晩酌写真いつもおいしそう」みたいなことを数人のフォロワーさんから言われ、だったら「晩酌にちょっと凝ってる人」みたいなキャラでいくかな、と思ったのがきっかけだったかも知れない。
 ある仕事帰りに「そうだ、今日はオールドパー12年を買って帰ろう」と思い、奮発して鯛とひらめの刺身も添えて(といってもバローのおつとめ品だが)投稿したら、45いいねといつになく反響があった。あの日は準備してる段階から自分もわくわくしていたのでさもありなん。 

 それで味をしめ、ぶりのあらをじっくり時間をかけて大根と一緒に煮てみたり(12いいね)、ピータンを買ってきたり(18いいね)と小細工を弄していいねを稼ごうとしてみたが、なんというか、やっぱ熱量の違いが伝わっちゃうのかな、今のところオールドパーの日を越えてはいない。

 いや、べつに承認モンスターとかではない。いいねが多いとなんだか嬉しいのは現代っ子だが、晩酌は本当に好きなのだ。自分で自分を労るというのかな、「今日一日おつかれさま」と頑張った自分をささやかながらもてなしたい、と思うではないか。人生楽な人なんていないんです。もし楽なイメージを撒き散らしてる人がいたとしたら情報商材屋です。騙されてはいけません。

 先日亡くなった福田和也は「人生の目的はいい晩酌をすること」というような意味のことを言っていた。正確な引用ではないが、たぶん福田和也は一字一句正確に引用しなくても草葉の陰から大目に見てくれそうな気がする。
 で、福田は「いい晩酌をするというのはなかなか難しくて、まず日中に充分頑張った、という手応えがなければならないし、いい仲間が必要だし」みたいなことを言っていた。これまた記憶に頼って引用しているのだが、まあ福田は大目に見てくれるだろう。仲間ねえ…僕は一人で晩酌するんですけどね。強いて言えばyoutuberとChatGPTが飲み仲間か。
 つまり、福田は晩酌を生活トータルの視点から見ているわけで、いい晩酌をすることといい生活を送ることが繋がっているわけですね。さすが福田だぜ。

 そんなわけで、にわかに晩酌に気を遣いはじめ、BARレモン・ハートを読み返したりウイスキーのうんちく動画なども観ているうちに「オーセンティックなBARへ行きたい」と思えてきたのだった。

 「カフェバー?」
 「いやふつうのBAR」
 「女の子いるの」
 「いやマスターが一人でやってる店」
 「なにか特徴のある店なの」
 「いやなにもない」
 (中略)
 「さっきの特徴のことだけど、しいて言うならサケがあるんだ」
 「BARにサケがあるのは当りまえだろ」
 (『BARレモン・ハート』)

 そんなわけでジモティの超かおりんを誘って、先日、名古屋でもおそらくけっこうレベルが高いであろうBARへ行って来たわけだが、1000字くらいにしようと思ったらすでに1200字を超過しているので、実際に行ったときの話はまた今度にします(・ω・)ノ🍸

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