世界一刺激的なデザイン・プラットホームdroog design(ドローグ・デザイン)25周年。(2018)
ドローグデザイン(droog design)の25年(2018)は、1993年4月にSalone del Mobile.Milano(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)から始まります。
安価なリサイクル可能は素材で作られたコンセプチュアルなプロダクトは、イタリアを始めとした世界中のデザイナーに衝撃を与え、瞬く間にコンセプチュアルデザイン(ダッチデザイン)というジャンルが確立されました。
そのきっかけが
1992年、当時の若きデザイナー(「MEAN-GIVER:意味を与える人」)、テヨ・レミ(Tejo Remmy)、ユルゲン・ベイ(Jurgen Bey)、ヤン・クーニング(Jan Konings)、マルセル・ワンダース(Marcel Wanders)など、後のドローグデザイン(droog design)の主要デザイナーとなる彼らが活動を始めたギャラリー・マルゼー(Gallery Marzee)での展示になります。
同時代に活躍していたオランダの建築家のレム・コールハース(Rem Koolhaas)の影響を受け、大量生産が前提とされる消費者に媚びたデザインに対して、プロダクトのディテールよりも、デザイナーのコンセプトを前面に押し出し、既存の日用品や技術・素材などに新たな意味(存在意義)を与える(再解釈する)編集的アプローチと、ひとつ詩を編み上げるような言語的アプローチにより生み出されるドローグデザインの価値観が世界中に発信された場所です。
Rag chair by テヨ・レミ(Tejo Remmy)
古着を重ねてバンドで縛った椅子。当時の廃棄された服のリサイクルで成り立つプロダクトです。このメッセージを受けて現代ではワンショット消費が流行しているようにモノは必要な時にシェアする時代となったのでしょうか。
Knotted chair by マルセル・ワンダース(Marcel Wanders)
デザイン界のスーパースター マルセル・ワンダースの若かりし頃の作品で、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクションにもなっています。
結んだロープだけで出来た椅子です。アラミドと炭素繊維でできたロープを椅子の形に結び、エポキシ樹脂を含浸させてフレームに吊り下げて乾燥させて作られています。最終仕上げは重力任せでしょうか?超軽量という言葉も、その後の世界では頻繁に聞き慣れた言葉となりました。
Chest of drawers by テヨ・レミ(Tejo Remmy)
コンセプチュアルデザインのアイコンとなっていて、ドローグデザインのクラシックとなっています。古い家具の引き出しをひとつひとつ集めてバンドで縛った棚。消費者主義に対する痛烈な批判を分かりやすく表現しています。
「You Can't Lay Down Your Memory(あなたの記憶は捨てることが出来ない。)」
Birdhouse by マルセル・ワンダース(Marcel Wanders)
こちらもマルセル・ワンダースの作品です。鳥のための三ツ星レストラン。
陶器製の皿で鳥の食事を豪華に演出しています。リサイクルプラスチック製の屋根で雨も凌げますね。