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【ジュビロ磐田】息をのむ試合 息をすることができる90分

ジュビロのキャプテンであり、No.10。
山田大記のヤマハでのラストマッチは逆転勝利。 

この結果が奇跡に、伝説につながる。そう感じた。



スタメンの変化

 試合前にこのスタメンを見て

 これが試合前のツイート。
(「二本の矢」って書こうとしていたら、「日本の矢」と誤字していました。)


この大一番で植村を入れた3バック・・・
横内監督、勝負師!

・・・
前回のマリノス戦で植村はフィジカル面で明らかに狙われていたのに、そのまま?
本職CBの鈴木海音が戻ってきているのに植村でいいのか?
それでも横内監督は植村を3バックを選択した。
この選択にはいろいろな理由があると思いますが、皆さんはどう思いますか?

そして植村だけでなくもう一つの驚きが

平川玲 ボランチ
これをスタートからもってくるとは思わなかった。
FC東京もスタメンを見て「あれ?」となったのではないだろうか。
ただここでも一つの心配点。

ボランチが中村駿と平川で守れる!?

ボール扱いに長けた2選手ではあるものの、レオゴメスのように馬力のある選手ではない。どうやって守るのだろうか。

息ができる90分

ボール保持へのチャレンジ

 この試合通じてのジュビロの変化。それはボール保持への再チャレンジと言えよう。
 横内監督の試合後インタビューでもこう語っている。

――立ち上がりから自分たちがやりたいことを表現しながら戦っていたのでは?

今週は勇気を持ってボールを動かしていく、その選択肢はできるだけ前の選択肢をチョイスしていこうというところをトライしてきました。選手は非常によくやってくれたと思っています。もっと言えば、クロスからチャンスは作れていましたが、そのクロスの精度がもう少し上がってくれば、と思います。

https://www.jubilo-iwata.co.jp/live/2024/J20241130_2012120711

 このすごさについてサポーターはもっと語っていいと個人的には思っています。

・現在ジュビロは18位 負けは許されない
・ボール保持に自信をもっている選手の数が少ない
・過去に何度も裏返されて失点したことがある

  自分がもし監督だったら、3バックにした時点でボール保持は諦めます。ただ横内監督は、今のジュビロでできるボール保持をこの2週間で植え付けてくれました。

1.平川と中村の立ち位置
 この試合、平川と中村は最終ラインのすぐ斜め前に立つことが非常に多いと感じました。

 今までは最終ラインでボールがつまったら、植村かグラッサに渡してロングボールが多かった。ただ、この試合は伊藤槙人の横には植村、斜め前には平川がいて、ボールの逃げ道が確保されていました。中村駿も同じように右も左もサポートをしていました。

 これにより、ボールを捨てる回数は明らかに減りました。もちろんビルドアップを整理してきたクラブではないので、そこから効果的に攻められず、結局後ろに戻して蹴るという展開も何度もありました。しかし、これによって
 息ができる90分間

 になったと思います。サッカーは90分という長い時間で行われ、そのすべてで効果的な攻撃と守備ができるわけではありません。
 ボランチの人選で、ボランチの働きで息ができる90分にしたことは、今のジュビロにとって大きな変化でした。

2.ゴールキックの工夫
 ゴールキックでは川島がCBへ渡し、そこから大きく蹴る
というシーンが何度もありました。ここも横内監督が現実を見て仕込んできた戦術だと思います。

 CBがボールをもてば必ず相手はプレスにきます。そこで繋ごうとして失点してきたのが今までのジュビロ。
 ただGKから蹴っても強度負け、ボールにアタックする人数で負けて相手に拾われ続け、永遠に相手のターンになった神戸戦、ガンバ戦。

 それなら、少しでも相手を引き付けて蹴ろう、というのがこの試合でした。

 ジャメは競り、高畑もジョルディもスプリントで相手に圧をかけられる。そしてそれが、ボール保持につながる場面も出てくる。このある意味、気持ちとも思える戦術がジュビロの今の強さだと思っています。

マリノス戦後のつぶやき

FC東京戦後のつぶやき

 今のジュビロの良さって何だと思いますか?
 自分は、現在の自分たちの状況、できることをしっかり見つめて、それでも勝てる方法を最大限考えて、チーム一体となって遂行できること、これだと思っています。

交代カード

 この試合、得点に絡んだのは藤川虎太朗、上原力也、ペイショット、山田大記でした。

 このいずれの選手も今のチーム内で序列が高い選手ではありません。

 ただその選手たちが、この大事な場面で、チームに勝利をもたらしてくれてました。

マテウス ペイショット 選手
――ゴールシーンを振り返って
自分にとっても待ち遠しいゴールでした。あのゴールは、ここ1ヶ月ほどチームで練習してきた形でした。プレーが途切れたときに(上原)力也に話しにいって、壁の人数が多くて、相手も直接来ると思っているはずだから、信じて中に蹴ってくれと伝えました。その後に、ジャメ(ジャーメイン)やリカ(リカルド グラッサ)も呼んで、空中戦に強い選手をより中に集中させるような形でチーム全体でコミュニケーションを取った結果です。  後略

https://www.jubilo-iwata.co.jp/live/2024/J20241130_2012120711

 このインタビューに今のジュビロが凝縮されていると思っています。

・スタメンでなくても次の試合のために全員で取り組んでいること
・外国籍選手と日本人選手でも密に連携が取れていること
・心は熱く、頭は冷静にを実行できていること
・今年から来た外国籍選手がチームのためにハードワークし続けていること

――チームのためにという思いが山田選手の軸になっていると感じます。

前略
ジュビロはよく「仲が良い」と言われて、勝てない時期はそこをネガティブに捉えられてしまうこともありますけど、本当に仲間のことを大切にするとか、仲間のために尽くすとか、必死に戦える、人を大切にするということは、サポーターも含めてこのクラブの本当に良いところだなと思っています。そのクラブが持つあたたかさはこれからも繋いでいきたいと思いながらピッチに立っていました。細かいところですけど、新しい選手が入ってきたときに無条件にその選手を受け入れて、仲間として、外国籍選手であっても、力の足りない若手の選手であっても、仲間として無条件に受け入れて、仲間として大切にしてみんなでやっていくということが、僕が受け継がせていただいたジュビロの良さだと僕自身思っているので、そこはなるべく繋いでいこうと考えて、プレーや生活をしていました。

https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=9903

そして、それこそが山田大記と共に作ってきたジュビロです。

ラスト1試合に向けて

  泣いても笑っても、残り1試合です。
相手はホーム最終戦のサガン鳥栖。簡単な相手ではありません。

 また残留の直接のライバルであろう新潟も力のあるチームです。
引き分け以上で自力残留。全力を懸けて戦うでしょう。

 正直、今書いている段階で「絶対残留できる!」と確信をもつことはできません。

 それでもサポーターである自分は「絶対に二点差以上で勝つ!」と言い続けます。直接選手の耳に届かなくても、想いを届けられるよう祈っていきます。

 ジュビロサポーターのみなさん、J1最終節、絶対に二点差つけて勝ちましょう!




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