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取材に同行する編集者は何を考えているのか

先日、「便利な」取材先についての記事を書きました。

この中で、いずれAIのライティング能力が高まっていくと、記事制作に求められるのは「取材力」になるのかも…。みたいな話をしました。

やはり同じような感覚を持っている方は、編集界隈でも多くいらっしゃって、いいネタを引き出すところから書くことが始まるという流れは強くなっていくように思います。

その中で、ライターさんに伴走する立場である編集者がどうあるべきか、というのが今日の話です。

今日も担当する案件の取材があったのですが…

と、何の気無しに書きましたが、

「え、編集者も取材に行くの?」

と思われた方もいるかもしれません。

これは媒体の性質とか、編集部の方針にもよるのかもしれませんが、少なくとも僕は取材に同行するようにしています。

なぜなら、ライターさんと編集者とでは、取材の時に考えていることが違うからです。

取材を担当するライターさんが考えることは、まずは事前に用意した質問を与えられた時間内に全て聞くことだと思います。

その上で、話の流れの中で、どこまで掘り下げられるか、あるいは脱線しそうな時にどうやって本筋に戻していくかということも考えているはずです。

常に取材対象と会話をしていくのですから、意識はほぼ100%取材対象に向くはずでしょうし、そうであってほしいと思います。

一方で、僕たち編集者は、ライターさんの同行で取材に伺う場合、基本的には取材中は話を聞いているだけです。

今日なんて、狭い部屋だったので、ライターさんたちの後ろに座って、一見傍観者のように取材に立ち会っていました。

当然、取材には集中(間違ってもメール対応とかしません!!)してはいますが、ライターさんとは頭の回転の仕方が違います。

別に僕たちは、常に質問を投げかけなければならないわけではないので、取材対象とのコミュニケーションに神経を使う必要はないのです。

では、何を考えているか。

それは、「記事がどういう仕上がりになるか」ということです。

当初の企画に沿った内容の記事にするために十分な要素が揃っているか。

想定している読者にとって、満足のいく情報が得られているか。

ちゃんと記事になる話を聞けているか。(オフレコの話やコンプラ的に怪しい話ばかりされる方もいます。苦笑)

こうしたことを考えて、取材の内容が、自分のイメージする記事につながっているかを意識しています。

もう一つは、ライターさんの立場では聞きづらいことを聞くこと。

ライターさんにとっては、僕たちがクライアントなので、どうしても僕たちに遠慮をされてしまうケースがあります。

そうした時は僕たちが助太刀をして、聞いても大丈夫!ということを伝えたりもします。

つまり、ライターさんが目の前の取材対象に集中するのに対し、編集者は一歩引いたところから俯瞰しているといえるかもしれません。

よくライターさんの話を聞いていると、取材にも来ていない編集者が、「こういう話を聞いてほしかった」みたいなことを原稿ができてから言ってくるということも聞きます。

正直なところ、それは取材に来ない編集者の問題です。

そりゃ、インタビューもばっちり、しかも編集者の期待する目線に立って記事も書いてくる、そんなことまでしてくれたら万々歳です。

でも、それなら編集者いらなくないですか?

ダメ出しするのが編集者の仕事と思っている方もいるようですが、それは間違いです。文章表現の指摘はともかく、記事の方向性や取材の良し悪しは、本来的には編集者のディレクションの問題なのです。

なので、クライアントワークとしてライティングを引き受ける方は、編集者を見極めるということも欠かせないと思います。

当然、「そんなこと言ってられないからとにかく受注!」という考え方も重要です。

ただ、ディレクション能力の低い、あるいはそもそもその意思のない編集者(編集部)は、それこそ早晩AIに駆逐されるはずです。

つまり、そういう方々と付き合っていても、残念ながら発展がないということです。

仕事は選べない、という現実がありつつも、ぜひこの点は頭の片隅に置いていただけると良いのではないかと思いました。


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