ふくろう多門のビデオレター No.5

ふくろう多門のビデオレターでは、「土木グローバル化」をキーワードに、会長プロジェクトの活動、「ふくろう多門の土木対談」の内容紹介などを紹介しています。
第5回は、日本建築学会との覚書に関する内容を中心にお送りします。

■土木学会誌2022年10月号 会長からのメッセージ
日本建築学会と土木学会との協働
https://www.jsce.or.jp/journal/message/202210/index.shtml

上田会長に直接に意見や質問ができる「多門に多聞&多問」を開設しております。ぜひ皆さまからのご意見、ご質問をお寄せください!
https://committees.jsce.or.jp/chair/node/59

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皆さんこんにちは。本日は5回目のビデオレターをお送りいたします。

先日、日本建築学会の副会長である野口貴文先生と対談を行いました。もう既にいろんなところで私からお知らせしていますように、土木学会と日本建築学会とが2021年に両会長名で覚書を交わして、両学会が共通する課題に対する活動を行っていくということを約束いたしました。

この覚書に従いまして、タスクフォースが立ち上がっています。タスクフォースの日本建築学会側の代表が野口副会長で、土木学会側のリーダーを私上田が務めております。そんな関係で対談をさせていただきました。野口先生は建設材料建築ですから建築だったんですが、建築材料の脱炭素への取り組みの専門家でもあります。

野口先生のお話によりますと、日本建築学会でもこの両学会の協働に関する議論が行われまして、スムースにこの協働を行っていくタスクフォースを始めるということが了承されたと伺いました。スムーズにいったということは大変嬉しいことなんですが、実はそれを聞いてですね、覚書を交わしたときに行われました両学会の正副会長会議でこの点も話し合いまして、その際、特に日本建築学会側の副会長・会長から熱い想い、協働の必要性・重要性を語られているのを思い出します。

こういった協働が始まることに至った経緯としましては、これまで今回のように恒常的に一緒に協働で活動するという仕組みはなかったんですが、例えば大きな自然災害、東日本大震災など大きな災害が起こった際の被害調査でありますとか、将来起こるであろうそのような自然災害、大きな自然災害への対応。それから両学会の共同企画。それから研究集会などの共催など、個別の案件で積み重ねてきた協働がですね、背景にあったんだと思います。いずれにしてもですね、今回のように常置的に協働する仕組みを作ったということは画期的なことでありまして、両学会の中から協働するような必要性が感じられましたら、この仕組みに則っていろんなテーマで協働することができるようになったという状況だと思います。

野口先生に伺いましたところ、野口先生ご自身もですね、建築学会側のリーダーになったという背景もあると思いますけれども、このような両学会、もしくは土木建築はその性格上、協働するような課題がたくさんあるという認識はお持ちであると述べられていました。
タスクフォースの中でもう既に議論が始まっておりまして、その中で野口先生の専門である脱炭素であるとか、もしくはDX、災害対応、構造物のいろんな基準の基本。などといったテーマが選ばれましたので、それに対するご意見を伺いましたところ、それぞれの課題のテーマの重要性、それから協働の必要性を明確に述べられておりました。

さらにですね野口先生がご指摘されたのは、このようなタスクフォース、もしくは恒常的に協働をする仕組みというのが長く長期的に行われていく必要があるということで、両学会の中で、日本建築学会の中でそういうような仕組みが公にどういう位置づけで行われてるのかというのを明確にしていく必要があるということも述べられました。つまり組織の中でタスクフォースがどのように公に位置づけられるかというのが、長いスパンで考えると重要であると。それもまさしくその通りだと思います。

最後にですね土木学会への貴重なアドバイスもいただくことができました。

そのアドバイスというのは「優れた技術者個人がより尊重される環境をもっと作っていくべきだ」ということでした。もちろん皆さんご存知のように、建築の世界では著名な建築家という方がたくさんおられます。そういった背景もあると思いますけれども、そういったこと建築の状況と比べますと、土木というのはあまり個人が前面に出ないというような歴史的な背景があったので、そういうことを述べられたんだと思います。

非常に貴重なアドバイスでありまして、土木学会としてもそのような方向で今、より優れた技術者個人が尊重される、認められるような環境作りを作り出しているところであります。さて、この対談の様子は40分以上に続きましたけれども、その詳細はですね、近日中にインターネットなどで公表しますので、ぜひご覧になってください。

また毎回申し上げておりますが、土木学会のインターネット上などでも紹介しておりますように、会長へ直接意見・質問を送る窓口も作っておりますので、ぜひご利用ください。次回のビデオレターは、国際コンクリート連合fib会長の春日さんとの対談の様子を簡単に紹介したいと思っておりますので、ぜひ次回もご期待ください。

以上です。今日はありがとうございました。

国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/