えみちゃんぱんまん
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『ハドソン川の奇跡』
飛行機に乗る機会が多いので、 「飛行機事故映画を観て乗れなくなっちゃったらどうしよう、、、」 と思いずっと見てなかったのですが、どうやらしばらく飛行機に乗る機会もなさそうなのでようやく鑑賞。 イーストウッド監督とトム・ハンクスだからね! 間違いないよね! 予想通り間違いありませんでした。 マニュアル通りでなく、 普段から「決断」を迫られ「決断」を下している人 にはグッとくる映画だと思うな。 「決断までの時間」って本当に難しい。その状況にいる人にしか分からないし、終わってみないと正解が分からない事って多い。 ダイビングガイドしていた時は本当にそんなんばっかでどれだけ悩んだ事か。 その時の海流や気候やゲストスキルや体力などが「海」という争うことが出来ない大自然の中で翻弄されていく。その状況でトラブルが起こる前にリスクヘッジをして回避しなければならない。後からその状況を説明したり、思い返してみると、「あぁすればよかった」と言われる事や思うことも多かったが、同じ状況になることなどそれまでなかったし、結局その場で判断を下すのは自分。映画の中みたいに155人の命ではなかったものの、常に目の前の命を預かり守っていた身からすると「決断までの時間」という言葉がすごく重い。 ダイビングってすごく楽しいレジャースポーツだけど、ルールを守らないと簡単に死に直結する。ゲストに何かあった場合、責任を取るのは所属ショップでも所属団体でもなく、その場を統括していた”ガイド”になる。今のところ何事もなくガイドさせてもらってるけど、やっぱり毎回ドキドキするし、毎ダイブごと終わると安心する。 だいぶ話がそれちゃったけど、「決断までの時間」という話だよね。 そうそう、何が起こるか分かっていて、何をすべきか分かっていれば、出来るんだよ。そこには「決断までの時間」はないのだから。
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又吉『劇場』リビュー
予想以上によかった!! というのが、見終わった直後に思った感想。 本で感じる文学的な暖かさと、芝居を通してみる人間臭さと、現代が舞台になっているリアルさを感じる作品でした。 全体的に、文学作品を読んでいるような感覚でした。 なんというか、戦前から昭和の日本文学作品を令和現代版としてリメイクしているような。時代問わず、どの時代背景であっても違和感のないストーリー。 又吉と言えば、太宰にすごく影響を受けているのは有名だが、映画の最初のシーンからまさにそんな感じ。ダメ男に振り回されてそれでも手放さないさきちゃんは又吉の理想なのかな、とも思っちゃう。 役者さんで言えば、まず山崎賢人君がこんな役出来るんだ!と驚きました。瑛太や松山ケンイチ、人間失格に出ていた小栗旬を思い出させるような。最初は、山崎賢人君の知らない面を覗いたような気分でしたが、途中から何の違和感もなく永田として見入ってました。 松岡茉優ちゃんはさすが!このなんだろうか、、、普通の女の子感がとてつもなく似合う。一方で、アップになったり怒ったりした時の表情がとても綺麗で、ぴったりすぎる役でした。 *****ネタバレを含みます****** 永田=ダメ男はわかるが、さきちゃん=献身的でいい子 とは全く思わない。 献身的であるのは事実だが、ある意味自分を守る為の永田に対する行為だし、あそこまでの八方美人は信用ならないから私だったら友達にならないタイプの子。 人の悪い部分を指摘せずに「それさえも受け入れる私って優しいよね!」って思ってる子っているよね。それって全然優しさじゃないし、いい子でもない。 さきちゃんは、「ダメ男につかまったかわいそうな子」ではなく、あのカップルはお似合いとさえ思う。さきちゃんも永田みたいに自分を必要としてくれる人を求めていたのだから。 最後はどう見てもハッピーエンド。 お互いが自分のことを見つめなおし、各々で生きていこうとしているので、最善でしかない。 「二人で仲良く生きて行くことがめでたしめでたしハッピーエンド」と捉える方からしたら、モヤっとした終わり方かもしれないが、そんなんで終わってたら逆に私はこの映画に対する感想を書く気にならないほど、映画に絶望してたと思う。それぞれに生きて行くことを決めた時点で良い選択だし、さらに言えば、今後もしかしたら復縁する可能性さえ含めているのだから、万々歳。互いが独立して再開してそれでまた仲良くやっていくシーンなんて最後に入ってたらどうしようと思ったけど、含みを持たせる感じで終わってそれもまたよかった。 又吉先生の火花を見たことないので、見てみたいと思いました( ^ ^ )/