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ミライの小石09.あのカラスも「カー子」になればご近所さんになれるかも

私が普段何気なく近所で見かける野良ネコや野生のカラス。「あ、猫だ」「あ、カラスがいるな」と相手を動物の記号を当てはめて認識しています。もし、何気なく見かける猫やカラスが、それぞれ生きてきたライフストーリーを持つ対象として見ることができたら、私達と動物の関係はどう変わるでしょうか?

2023年1月12日放送のテレビ東京の「探究の階段」にて大阪大学の山田一憲講師の開発する「モンキースカウター」が紹介されました。以下に番組の予告文から引用します。

サルにも1頭1頭人生がある。当たり前だが、想像することは難しい。大阪大学の山田さんが開発中の「モンキースカウター」は、野生のサルの性別、年齢に加え、細かな性格やライフストーリーを、誰でも簡単に覗くことができるというもの。これを使うとサルと人間の未来はどう変わるのか?山田さんの願いとは?

(注1)

技術的にはスマホを向けて撮影すると、人工知能によってどのサルかを識別表示してくれるというものですが、観察データが蓄積してくれば、「あ、この子は若者で元気の盛り」「この子はパートナーと死別して今は一人」と過去の背負ってきたストーリーを知ることができます。

もし、観光旅行でも、一匹一匹のストーリーが分かれば、「サルを見に行く」ではなく「サルのハナコに会いに行く」という観光もあるかもしれません。奈良にいる鹿も「鹿がいる」ではなく「鹿の鹿次郎だ。この子は今10歳で、子育て中のパパさん。この間見かけた時よりなんだか優しそうな雰囲気になったな」となるかも。

私たちの生活の中でよく見かける近所のカラスも「カー子、また来てる。今カー子は子育て中か。だったら少し食べ物をおすそ分けしようか」となるかもしれません。相手のことをよく知ることで、私達と動物との関係が、単なる動物として線引きされた向こう側の存在ではなく、ご近所さんのような親しみのある間柄になれる未来があるかもしれませんね。

(注1) サルの人生が見えるモンキースカウター/山田一憲(大阪大学 人間科学部 講師)
https://www.tv-tokyo.co.jp/tankyunokaidan/backnumber/index.html?trgt=20230112 2023年1月23日閲覧

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