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漂流教室 No.65 「『源氏物語』から離れちゃっているけど、「意外とまじめな花山天皇」」

『源氏物語』についてあれこれお話して、ついでに脱線もしたりして、
というつもりで始めた「『源氏物語』から・・・」のシリーズなんですが、
なぜか花山天皇がメインになっております。
まあ、脱線は私の得意技(?)ですからお許しを・・・

ということで、
わずか16歳(数えだと17歳)で即位した花山天皇は数々の奇行で知られるお方なんですが、その噂がすべてホントだったとは私には思えません。
花山天皇ってけっこうやる気に満ちた政治改革者だったようです。
例えばこういうことをしています。

当時は「朝参(ちょうさん)」といって、朝早くから御前会議を開くことになっていました。
なんでも日の出のころには大臣や納言クラスの貴族が集まったとか。
本来の会議場は宮中のお庭だったそうです。
朝、庭で、政治を行うから「朝廷(庭)」。

しかし、スタンダードは少しずつ壊れていくもの。
やっぱり朝早いのはどなた様も苦手なようです。
朝早くから会議の場にやってくるメンバーが日に日に少なくなってきて
会議のスタートがどんどん遅れる。

まあ、私も朝は弱い方だから貴族の皆様の気持ちはわかる。
定年退職後というもの、朝は8時まで寝ています。
学習塾なんぞ始めたもんだから夜の帰宅が遅いのも理由の一つではありますが。
必然的に就寝時間も遅くなりますので。

現役時代は30キロ離れた職場に行くために日の出とともに家を出ていたこともありました。いやいや冬場なんか積雪があれば真っ暗なうちから家を出ましたねえ。
あの頃の私はどこへいったんだろう?

私のことはどうでもよろしい。

花山天皇は規定通りに朝議を行うよう命じました。
するとほとんどの者は早くに参内するようになったんですが、それでも遅刻する奴はいる。
花山天皇は遅刻者を怒鳴りつけたとか。
さて、効果はてきめん。遅刻する者はいなくなりましたとさ。

その他にもこんなことをしたそうです。

貨幣の使用を奨励した。
当時はまだまだ物々交換が主流です。
貨幣なんか見たこともない人々がいっぱいいた。
ただ、物々交換だと交換レートが一定しません。
そりゃそうですね。大根だってみんな大きさが違うし、なんなら味も違う。
計画的な経済活動は容易ではない。
で、貨幣を使用するとモノの値段が可視化する。

荘園の整理もしようとした。
有力貴族はたくさん荘園を持っています。
貴族たちの力を削ごうとしたんです。

花山天皇は二人の腹心と政治改革に臨みました。
ひとりは叔父にあたる藤原義懐(よしちか)。
行政の事務担当。
花山天皇が最も頼りにしたおじちゃんです。

もうひとりは乳母子(めのとご)の藤原惟成(これしげ)。
惟成はかなりの学者なんですね。政策の計画立案を担ったらしい。

大河ドラマ「光る君へ」には義懐が登場します。
演じるのは高橋光臣さん。
大河ドラマでは「龍馬伝」と「西郷どん」、
民放では「科捜研の女」シリーズにご出演なので、どこかで見たことはある。
(ごめん、覚えていない・・・)

惟成は登場しないようです。
出してあげればいいのに・・・

さて、「光る君へ」では、花山天皇はどんな風に描かれるかな?
私は、花山天皇って単なる「けったいなおにいちゃん」ではないと思います。

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