![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55988935/rectangle_large_type_2_6ce51d1f41d9d02ac90c841f611ecdc1.jpg?width=1200)
犬モノ文学をどうぞ!
授業というものはまじめなお話をします。しかし時にはちょいと脱線して毒にも薬にもならないお話を差し挟むこともある。だいたいが私が授業に飽きたときですかね。そんなとき、例えばこんなお話をしています。
この世には「犬モノ文学」というジャンルがあります。私が命名しました。
世界的に有名な犬はたくさんいます。
最も(?)有名なのはのはヨーゼフ(『アルプスの少女ハイジ』)かな。小鳥を守るためにお口の中に小鳥をパクリと咥えたこともある。あのときはびっくりしたなあ!
「なんだか、とっても眠いんだ」はパトラッシュ(『フランダースの犬』、いかん、涙腺が・・・)。
チャーリー・ブラウンのペットにして、鳥のウッドストックの親友、スヌーピー。(『ピーナッツ』)。
プルートはミッキーの飼い犬で、グーフィーはミッキーの親友だそうです。同じ犬なのに・・・。
日本での有名どころは、渋谷駅で飼い主を待ち続けたハチ(都市伝説ではなく実在です)。
渡辺満さんの視力をになったクイール(『盲導犬クイールの一生』)。
不細工さで日本中にその名をとどろかせた、わさお(「ブサカワ」というジャンルを確立しました。ブサイクの代表。世の中、何が幸いするかわからん)。
科学の発展に大きく寄与したのが、パブロフの犬。パブロフは何頭もの犬を実験に使ったそうです。よだれや胃液の分泌状況を見るために口や胃にホースを突っ込まれたとか。
ライカという犬は人間よりも先に宇宙を飛んだ犬です。旧ソビエト連邦のスプートニクに乗せられて地球を何周かしました。残念ながら宇宙空間でご逝去。
時に科学は非情ですなあ。
さて、私がオススメする犬モノ文学は、『チャーリーとの旅』スタインベック著。スタインベックは以前『二十日鼠と人間』をオススメしたときにとりあげました。覚えています?もちろん忘れましたよね。(私が生徒なら当然忘れています)
スタインベックはピューリッツァー賞受賞者にして、ノーベル文学賞受賞者。アメリカ文学界の巨人です。この方が老境にさしかかったときに、ふと思った。「自分はこの国のことをどれだけ知っているのだろうか?」
そこで、スタインベックは愛犬チャーリをキャンピングカーに乗せアメリカ中を旅します。キャンピングカーの名が「ロシナンテ号」。「ロシナンテ」とはドン・キホーテがまたがった馬の名前。
で、ドン・キホーテとは・・・、自分で調べてね。このときの旅行記が『チャーリーとの旅』です。
さて、もうひとつオススメします。『星守る犬』村上たかし著、双葉社刊。マンガです。マンガは文学です。異論は認めません。
この作品は小説化もされました。著者がなんと、原田マハさん。映画化もされました。滝本智行監督、西田敏行主演。
小説がマンガ化されることは多いですが、マンガが小説化される(ノベライズという)こともけっこうあります。それぞれの持ち味があってそれぞれによろしい。
人と犬の死から始まる物語ですが・・・、いつものごとく内容は言わない。でも、ひとつだけ。なにがしあわせで、なにがふしあわせなのかなあ?ひとそれぞれ。犬それぞれ。
ところで、他の村上たかしさんの作品で有名なのは『ナマケモノがみてた』シリーズ。『はりもぐハーリー』のキャラクターデザインも担当。動物モノには絶対的な強みがあります。
『ナマケモノ』は少々古いけれど、『はりもぐハーリー』はご存じの方も多いのでは?私はガブリーヌちゃんが忘れられない。
という風なことを授業でしゃべっているのって、アリかな?