WSJT-Xトラブル, POTA運用 29回目 (25/01/19, 小豆島+α)
01/18-19は年に4回開催されるPOTAの公式イベント・Support Your Parksの日です。New Yearと同様に、1公園以上アクティベートまたはハントすることで、アワードを獲得することができます。
しかしあんな地雷を踏んでしまうとは……
計画
今回のSupport Your Parks Weekendは近所のJP-1997 三木総合防災公園から運用しようかと考えていましたが、先日の事故で曲がったナンバープレートの交換のタイミングと重なり、移動の足がなくなりました。
いえ、正確にはバイクがあるのですが、この季節にバイクで出掛けるのはちょっと辛いものがあります。電熱ウェアが上下あるとしても、です。また、寒さ以外に路面凍結→転倒のリスクもあり、この季節にバイクで出掛けるのは避けたいというのが正直なところ。
バスで最寄りのJP-1542 明石公園に移動して運用することも考えましたが、片道10kmで運賃が500円。え? バスの運賃ってこんなに高いものでしたっけ? と手が止まってしまいました。カーシェアの利用も考えましたが……
小豆島でPOTA運用
そこで思い出したのが小豆島のJP-2049 小豆島オリーブ公園です。神戸から小豆島へはフェリーで渡れるのですが、軽でも結構な運賃が掛かります。また、小豆島から次の運用地へ移動するにしても、小豆島を囲む瀬戸内海 (播磨灘) 沿岸の公園はすべてアクティベート済みで、わざわざ車で移動するメリットが薄い訳です。
何より、ここが香川の未アクティベートな公園のラスイチなのです。しかも、このフェリーが着岸する坂手港からバスで10分という近さ。
となれば、徒歩でフェリーに乗って小豆島に渡ってバスで移動し、オリーブ公園で運用して観光して帰ってくる、というプランが現実味を帯びてきます。ついでに島内にあるJP-0023 瀬戸内海国立公園 (JP-KG) で運用するのもよさそうです。
機材
今回はモービル運用ではありませんので、いつものKX3ではなく小型軽量なKX2を持って行きます。アンテナは、コンパクトに収納でき、一本でマルチに出られるNAR100+NAR-HTにします。三脚やカウンターポイズ等も忘れずに。
電源をどうするか迷いましたが、PD対応の大容量モバイルバッテリーと15V出力トリガーケーブルの組み合わせとしました。26,000mAhのモバイルバッテリー1個では少々心許無いので、予備として20,000mAhのモバイルバッテリーも持って行くことにします。
ノートPCは100%に充電しておきます。
運用
移動
前日の23:15に自宅を出発し、23:30前の西神中央発の便で00:00頃に三宮に到着しました。ミント神戸のバスターミナルからフェリー乗り場行きの送迎バスに乗って三宮のフェリーターミナルへ。
01:00発のフェリーに無事乗船しました。体力を温存するために、夜更かしせずにさっさと就寝したかったのですが、消灯も減光もされず、煌々と照る照明のお蔭でなかなか眠ることができないまま、リクライニングの上でゴロゴロしていました。
眠れないままフェリーは中継地の高松に到着。コンテナの積み卸しに時間が掛かったようで、10分ほど遅れての出港です。
目が覚めてしまったので、そのままフェリーの上で朝食のうどんを頂きました。敢えての冷しうどんです。
07:15頃に小豆島の坂手港に到着し、バスに乗り換えて更に移動です。
JP-0023 瀬戸内海国立公園 (JP-KG) (x)
08:00頃にオリーブ公園口バス停に到着しました。ここから北に行けばオリーブ公園ですが、バス停から南に下った海岸の一部がJP-0023 瀬戸内海国立公園エリアになっています。オリーブ公園の開園時間まで少し時間がありますので、この待ち時間を利用して運用を開始しました。
トラブル発生
いつものようにグリッドロケータを修正してからCQ POTAを送信しました。しかし次のシーケンスでデコードされた信号が表示されません。ワイドグラフを見ると、真っ黒になっています。ノイズすら受信できていません。こんなトラブルは初めてです。
WSJT-XとRUMlogNGの設定を見直し、KX2の設定も見直しますが、特におかしいところはありません。KX2の電源を落として配線し直し、改めて電源を入れてWSJT-Xを起動し直して送信を開始しましたが、また送信直後のシーケンスから受信ができなくなります。
Twitter (X) で信号の回り込み、RFIを疑うアドバイスを頂いたので、配線の引き回しを替えてみたり、パッチンコアを入れたり外したり、マイクゲインをゼロにしたり、出力を0.1Wまで絞ったりしてみましたが、状況は変わらず。
WSJT-Xの送信、チューンボタンによる送信ではこの状況が発生しますが、KX2のATUボタンによる3W程度の送信では発生しません。もしかしたらRFIじゃないんじゃないの? という疑問を抱きつつ、そんなこんなで09:00を過ぎました。
何かが変わる訳でもないでしょうが、どうにも埒が開かないので、小豆島オリーブ公園に移動しました。
JP-2049 小豆島オリーブ公園 (x)
来た道を北に上がってオリーブ公園に到着しました。オリーブの木立の中にある適当なベンチを見繕って運用を開始します。
が、当然のように状況は変わらず。WSJT-Xから送信すると以降のシーケンスは受信できなくなり、ワイドグラフも真っ黒になります。先と同じように色々と試してみましたが、どうにも解決することができず、時間だけが過ぎてゆき、11:00を回りました。
この時点で小豆島でのPOTA運用は諦め、午後は観光することにしました。
小豆島観光
普段のPOTA運用時は目を三角にして次々と公園を移動していますが、今日は違います。この後の予定は帰りのフェリーに乗ることだけです。今日の移動の足はバスと徒歩しかありませんし、のんびりと過ごしましょう。
小豆島オリーブ公園
という訳で、まずはバスの時間まで、オリーブ公園内を散策しました。
箒を片手に園内を徘徊している人が多かったのですが、どうも園内に某宅急便アニメっぽい写真の撮れるスポットがあるらしく、箒が無料で貸し出されているようです。
園内のオリーブの木の下にはシカだかウサギだかのフンのようなものがたくさん転がってましたが、どうやら落果したオリーブの実だったようです。
まめまめびーる
続いて、フェリーの発着する坂手港近くにあるクラフトビールの醸造所にお邪魔しました。
坂手港のターミナルから坂を上がること5分ほどの路地にあります。大きな看板などは出ておらず、パッと見では物置のようです。恐る恐る引き戸を引いて中に入ってみると、ちょっと狭いですがカウンター席があります。
さっそくビールの飲み比べとランチプレートを注文しました。
やっぱりIPAは美味しいですね。私の好みに一番合います。レモンとハーブのビールはビールっぽさがなく、甘くないレモンジュースを飲む感じでした。他のビールもそれぞれ特色があって美味しかったです。
ランチプレートは唐揚げでした。サクサクとした衣とほどよく火の通った鶏肉が美味しかったです。付け合わせのポテトサラダなど、いずれも美味でした。
iineカフェ
まめまめびーるで1時間ほど過ごした後に、坂を下りて、坂手港にあるiineカフェに寄ってみました。ここでもまめまめびーるが売られていたので、IPAを注文。勘違いして先ほどと同じWEST COAST IPAだったのはご愛嬌です。
何か軽いおつまみになるようなものがあればよかったですね。
帰路
そんなこんなでフェリーの時間です。15:15の便に乗りました。往路はりつりん2でしたが、復路は新造船のあおいでした。
船内のエリアはQRコードで出入りが管理されています。今回はプレミアムリクライニングシートの最前列が取れたので、景色を楽しみながらの船旅になりました。
そしてうどんです。本場のさぬきうどんのようなハードな腰はありませんが、たいへん美味でした。
不具合調査
フェリーの待ち時間やフェリーでの移動中の時間などを使って、今回の不具合の調査も行いました。どうもMac OS 15 (macOS Sequoia) の不具合のようです。macOS SequoiaとWSJT-Xをキーワードに検索すると音声入力関連の不具合が多数報告されています。
ただし、報告されているのは昨年のものが多く、年明けに報告されたものはあまりありませんでした。
結論から言えば、Mac OS 15.1.1を15.2に更新したところ、問題は解決しました。以下のような状況だったと推察されます;
年末年始はMac OS 15.1.1とWSJT-X 2.7.0-rc7の組み合わせで問題なく動作していました
年明けにWSJT-X 2.7.0-rc7が使用期限を迎えて使えなくなったため、WSJT-X 2.7.0-rc8に更新しました。このMac OS 15.1.1との組み合わせで今回の不具合が発生しました
帰宅後、Mac OSを最新の15.2に更新したところ、WSJT-X 2.7.0-rc8との組み合わせで発生しなくなりました
つまりはOSとWSJT-Xの相性問題だった訳です。そりゃ運用時には分からんですよ。仮に分かっても、まさかテザリングでOSを更新する訳にもいかんし。
しかし、WSJT-X 2.7.0-rc8に更新後に一度でも運用していれば、フェリーを使ってまで移動した小豆島での運用当日にトラブルに見舞われることもなかったのに、と少々反省しております。
再運用
さて、トラブルは解決しましたが、このままでは今回のSupport Your Parksアワードを獲得することができません。そこで、22:00過ぎでも運用できる公園で運用することにしました。
JP-1542 明石公園
車で15分ほどでJP-1542 明石公園に到着です。移動中にパラつき始めた雨が本格的に降り始め、雨の中での運用となりました。
40mは国内とほとんど繋がりません。海外も、こちらからは米国も見えているのですが、pskreporterを確認すると中国・台湾ぐらいしか届いていません。CQ POTAへの応答もほとんどまったくなかったので、こちらからCQに応答することで中国局を中心に10局と交信してアクティベート自体は成功しました。
残るはハンティングです。しかし40mをワッチしていてもCQ POTAがほとんどありません。20mにQSYしても状況はほとんど変わらず。米国局のCQ POTAに応答してもコールバックがありません。
翌朝出直すことも視野に入れてワッチを続けていたところ、フランスの南極基地 FT4YM/P のCQコールがあったので応答したところ、無事にQSOが成立しました。
南極と言えばオーストラリアの南極基地 VK0DS がPOTAアクティベータだったことを思い出し、駄目元で検索してみたところ、このFT4YM/Pもアクティベータのようです。一縷の望みがでてきました。
翌朝
寝坊しました。自宅から15分ほどワッチしましたが、CQ POTAコールが見えず、pota.appでスポッティングしている局も見えず、ハントは断念。FT4YM/Pのログは月末にまとめてアップロードされているようなので、気長に待つことにします。
アワード
Support Your Parks Winter 2025 Activator
小豆島から一度帰宅し、不具合調査・対応後に仕切り直して近所の公園を無事にアクティベートすることができました。Hunterアワードはアクティベータのログアップロード待ちです。
次の運用
新兵器を入手しましたので、近いうちにまたJP-1997 三木総合防災公園あたりで運用する予定です。