ニュータウンの絵巻物
初めて絵巻物を制作しました。
手元でスクロールしながら鑑賞する絵巻物という絵画形式は、より身近に風景を体感できるように思います。
来週6月2日(木)より個展「洛西ニュータウン」へ出品予定です。
洛西ニュータウンを題材にしたこの絵巻は、伊藤若冲の絵巻「乗興舟」に着想を得て制作しました。「乗興舟」は若冲が淀川の川下りを行った際に見た風景を時系列に沿って描いた絵巻物です。
今回の絵巻では洛西ニュータウンを深夜に散策・取材し、ニュータウン内のいくつかの地区を開発工事完了順に描いています。それまで未開発の山麓地域だった土地に街が誕生し、明かりが燈っていく経過を、現在の風景を用いて、追体験できるよう描きました。
京都市による公的な都市計画として始まった洛西ニュータウンですが、1975年に入居が開始、その30年後には地域の高齢化に伴い、人口減少が始まります。同じ京都市民であっても洛西ニュータウンへ実際に行ったことのある人は少ないのではないでしょうか。
このままだとこの街が人々の記憶から薄れていくのではないか、ということに対して街の記憶を絵にしたいと思い制作しました。
個展「洛西ニュータウン」
2022/06/02(木)~12(日)
12:00~18:00
※最終日午後4時閉廊
BAMI gallery
京都市下京区二人司町21
ぜひご高覧ください。