そんな彼女へのアンサー。
つい数ヶ月前のこと。
僕が推している女優、宮﨑香蓮さんが結婚した。
インスタでの発表に思わず「おお!おめでとうございます!!」とコメントした。
嘘偽りはなく、紛れもない本心である。
ただ、これは推しの結婚だ。
全くのノーダメージというわけにはいかない。
惚れた僕が悪いというか、複雑な感情になるのである。
推しの多い人生なので、過去にも似たようなことがあった。
数年前、ももいろクローバーZの高城れにちゃんが結婚したときもそう。
僕はファンクラブに入っているほど彼女たちのことが好き。
いわゆる「モノノフ」である。
推しは、あーりんこと佐々木彩夏さんだ。
これだけ聞くと、「れにちゃんの結婚はノーダメージだろ?」と思うはず。
違う違う。
きちんとショックだし、きちんとダメージを受ける。
気が付いたら僕は河川敷で体育座りしていた。
家で一報を知り、「何かしなきゃ心がダメになるぞ!」と思ったのである。
河川敷である程度時間を潰して帰宅。
ご主人はプロ野球選手とのこと。
僕はSwitchでパワプロを起動。
彼と同じポジションで最強の選手を作った。
そして、ご主人をクビにした。
これを知り合いのキレイなお姉さんに話したところ、
「………ちいせぇ」と笑われた。
余談だが、その後、れにちゃんは水着写真集を発売。
当時は「人妻の写真集なんて誰が買うかよ!!」と思った。
しかし、紆余曲折を経て彼女は離婚。
そのニュースを知った瞬間、すぐにAmazonでポチった。
僕はそういう男なのである。
さらに今年、メンバーの百田夏菜子さんが結婚した。
テレビ制作会社でディレクターをしている僕。
その日は特番の企画会議だった。
会社へと向かう電車で、上司の女性Dから「ニュース見た?」とのLINE。
確認すると、百田さんが結婚していた。
「あーりんじゃないから、別に。って感じです」と返したのだが、徐々にダメージが大きくなっていった。
そして先輩に「すみません、この後の企画会議は面白いこと言えないです」と返信。
「祝ってやれよ」という至極真っ当なことを言われた。
そして、この日も「何かしなきゃ!」の精神が。
考えた結果、僕が思いついたのは風俗へ行くことだった。
職場の後輩男子に相談したところ、
「いいと思います!あの村上龍も『セックスは傷を中和する』って言ってますし!」
と背中を押してくれた。
結局その日は風俗へ。
実に7ヶ月ぶりのことである。
相手の女の子に話を全部聞いてもらった。
その子は、結婚発表の文面を見ながら「でもほら!『かねてよりお付き合いさせていただいておりました〜』とは書いてないじゃん?そこはファンへの配慮じゃないかな??」と、的確なコメントで励ましてくれた。
さて、僕はラジオが好きなハガキ職人。
このことをネタにしないわけがない。
下ネタを読んでくれるでおなじみ、みちょぱの『#みちょパラ』という番組にメールを送った。
百田さんが結婚したこと。
ショックで7ヶ月ぶりに風俗へ行ったこと。
女の子に話を全部聞いてもらったこと。
メールの最後に「色んな意味で、人の温かさを知りました」と書いた。
数週間後、見事にこのメールが採用。
ゲストで来ていたハリウッドザコシショウさんに、
「なんで自分が百田さんと結婚できると思ってんの!」
とツッコんでいただいたが、僕は一応業界人なのだ。そりゃ期待もするさ。
そもそもの話、ももクロに会いたいがために今の仕事をしているのだ。
みちょぱは「きっとショックだったんですよ」と僕をフォローしてくれた。ありがとう、みちょぱ!!
推しの結婚にショックを受けたものの、それをネタにしたメールが読まれた。
しかも、余談ではあるが単独ライブのDVDを全部持っているほど好きなザコシショウさんにツッコんでもらえたのだ。
こんなに幸せなことはない。
さらに、Xのタイムラインでは「邪なモノノフがいるぞ!ww」というポストも発見。
つまりはウケたのである。
ハガキ職人冥利に尽きるではないか。
僕の中の複雑な気持ちは、少しだけ成仏した。
というか、残りのメンバーが結婚するたびに何かしなくちゃいけないのか。
この大喜利、結構キツいぞ。
さて、話を戻そう。
推しの宮﨑さんのご結婚である。
はるか昔、ほんの少しの期間だが、一緒に仕事をしてファンになった。
彼女の魅力は現場を明るくするところ。
とはいえ、名もなきADだったので、全くしゃべったことはない。
またいつか会ったとしても「はじめまして!」と言われる自信がある。
その後、彼女がテレビに出ればXでリポストして録画した。
映画の舞台挨拶へも行った。
出演する舞台も観に行った。
東京新聞で連載が始まれば毎日キヨスクで買った。
彼女のインスタライブにBEAMSの社長がコメントしてきたとき、僕は一度退出してオンラインショップに飛んだ。
そして、一万円のトレーナーを購入。
インスタライブに戻って「今、BEAMSでトレーナーをポチりました!」と報告した。
そしたら彼女はスクショを撮って、ストーリーズにアップしてくれたのだ。
僕は嬉しくなって、そのスクショをスクショした。
「陰ながら応援」というよりは、めちゃくちゃスタンドプレーしている。
そして、彼女はラジオ好き。
stand.fmというアプリでラジオの配信をしている。
僕は、ここぞとばかりに全力でメールしまくった。
おかげさまでラジオネームを認知していただくことに成功。
放送内で「いつもありがとね〜」と言っていただけた。
それを聴きながら「いやいや〜僕なんて…」と声に出して謙遜した。
っていうか、ファンたち全員もっとメール送れよ!
オレしか読まれてねぇじゃん!!
ラジオネームを変えて一人何役かやるべきかと本気で悩んだ。
僕は「推しは推せるときに推せ!」を全力でやっていたのである。
だからこそ、結婚発表の際は素直に「おめでとうございます!」とコメントしたのだ。
しかし、やはりダメージは受けてしまったのである。
そのニュースを仕事中に知った僕。
呆然としていると、後輩女子がちょっかいをかけてきた。
いつもなら全力で乗っかっているのだが、
「お前さ!今オレはそういう気分じゃねーんだよ!!見てわかんねーのか!!!」
とブチギレた。
彼女は知る由もないので、絵に描いたような八つ当たりである。
仕事を終えて家に帰った僕。
よく、世間を騒がせる悲しいニュースに対し、「一度スマホを置いたりして、見ないようにするといい」といったアドバイスを目にする。
僕にとっての悲しいニュースは彼女の結婚だ。
いや、もちろんおめでたいニュースではある。
でも個人的には、とにかく複雑なのだ。
その結果、僕はどうしたか。
とりあえず、宮﨑さんのX、インスタ、Threads、全部のフォローを外したのである。なんだったら、ブロックした。
あと、登録していた彼女のインスタのサブスクも解約。
スマホの壁紙も宮﨑さんから、ももクロに変更。
さらに、彼女がカメラの使い方を学ぶ『はじめてカメラ ロケで覚える「映え撮り」講座』という本は、知り合いに譲った。
そしてstand.fmのアプリはアカウントごと消した。
全ては自分の心を守るため。
すっごく極端だが、僕は「0か100か」の精神なのである。
ただ、何度でも言うが結婚を祝福する気持ちはある。
でないと、インスタに「おお!おめでとうございます!!」なんてコメントはしないのだ。
純粋に、シンプルに、ただ単に、とにかくもう、自分がファンとして未熟なだけなのである。
そして、定期的に彼女へのファンレターを出していた僕。
結婚のニュースを知り、後日手紙をしたためた。
そこには「結婚祝いに僕の持っている『おぎやはぎのメガネびいき』ステッカーも送りますね!宮﨑さん、リスナーですもんね!」的なことを書いて送付。
しかし、ショックが尾を引いていたのだろう。
僕はステッカーを同封し忘れた。
もし彼女がファンレターを読んだ場合、「え、ステッカーなくない??」と困惑してしまうだろう。
すみません、マジでわざとじゃないんです。
さて、なぜ今回こんなことを書いたのか。
それは、最近宮﨑さんが更新したstand.fmで「結婚してからフォロワーが300人減りました」と話していたから。
「あれ?」と疑問に思った人、正解。
僕は確かにSNSのフォローを外した。
さらにブロックまでした。
なのになぜ、ラジオが更新されたことを知っているのか?ということである。
実は僕…定期的にブロックを解除していたのだ。
やっぱりちょっと気になって、SNSを見にいってしまうのである。
なんとまぁ、人間っぽいというかなんというか。
「人間だなぁ〜」としか言いようがない。
「ダサい」を通り越して「人間だなぁ〜」なのだ。
「0か100か」とか言っておきながら、定期的に覗いていたのである。
こんなに人間味のあるエピソードがあるだろうか。いや、ない!
アプリは消してしまったので、パソコンでstand.fmを開いた。
宮﨑さんはラジオの中で、
「私がアイドルならわかるけど、フォロワーって減るんだ…」とか、
「私が結婚したってニュースに『ってかこの人って誰?』ってコメントする人、なんだかなぁ…」とか、
「フォロー外すときにわざわざ『さようなら』って送ってきた人、どういうこと!?」と語っていた。
共感できるところもあれば、できないところもある。
宮﨑さんはアイドルではない。
でも、僕らからしたら表舞台に出る人は全員アイドルのような存在なのである。
石原さとみさんの結婚でショックを受けた日本人男性の多さたるや…。
そこに肩書は関係ないのだ。
「この人って誰?」ってコメントする人は僕もどうかと思う。
己の無知を曝け出しているだけだ。
恥を知ったほうがいい。
もっとテレビ観ろ!
「さようなら」って送ってきた人、全く共感できない。
そんなことしてないで、僕みたいに黙っていなくなるのがベストだろ!
「立つ鳥跡を濁さず」って言葉、ご存知!?
今回のラジオの中で最も印象に残った部分がある。
それは、
「離れていった300人にこの声が届くことはないけど、なんでフォロー外したのかだけ教えて!!」
と話していたこと。
いえいえ、ちゃんと届いてますよ!
自分は他の299人なんかとはモノが違います。
だからアンサーとして、このnoteを書いたんです。
改めて気持ちを整理した結果、過去最長クラスの文量になりました!
文量イコールその人への愛です。
キライになったとかじゃないですからね!!!
フォロー外したのは、自分の心を守るためです。
以上、推しの結婚の話。
そろそろまとめよう。
これを書いていて気が付いた。
推しの結婚はノーダメージというわけにはいかない。
でも、結局は「おめでとう!」しか出てこないのである。
なぜなら、彼女の活躍が日々の活力になっていたから。
ファンとしてできる、せめてものお礼が祝福の言葉なのである。
この気持ちに嘘偽りはない。
だから、最後に改めて書いておこう。
宮﨑さん、ご結婚おめでとうございます!!!!!
末永くお幸せに!!!!!!!!!!
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ラジオのハガキ職人です。
仕事はテレビのD。
過去に別名義で電子書籍を出してます。
Kindle Unlimitedなら無料で読めますよ!
そして『文学フリマ東京38』でエッセイを寄稿しました!
『BANDIT』という雑誌で、テーマが「ハガキ職人と笑い」。
ネットショップで買えるそうなので、こちらもぜひ!!
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