カリフォルニアのホームスクールとオンライン教育
カルフォルニアの公立学校には、ホームスクールという制度があります。これは、なんらかの理由で学校に通学したくない・できない子供達のために、より柔軟で多様な義務教育を提供できるように作られた制度です。
今時のホームスクールは、学校・塾・カルチャースクール・オンライン授業・自宅学習を自由に組み合わせられる
ホームスクーリングは、毎週ウェブ上で、生徒自身が好きなクラスを選び翌週の学習計画を立てるのだそうです。
例えばロサンゼルスでは毎年2000ドル*(20万くらい)の補助金が出て、そのお金で、生徒はクラスを受講したり教材を買ったりできるそうです。
(注* update: 2023年にオレンジカウンティーで確認したら$3000もらえるとのことでした)
クラスは、地域の学校や学習塾(と言っても、サイエンスやエンジニアリング、プログラミングなど)が提供していることもあれば、オンラインのクラスもあるそうです。
また、学区のホームスクール用の先生が、定期的に面談などのサポートもするそうです。
ホームスクールというからには、家だけで勉強しているのかというと、そうでもなく、週に数回、実際の公立の学校のクラスを受講できるハイブリッド制もあるそうです。
アメリカでは、ホームスクーリングの問題点として、子供が友達を作りにくい、コミュニティーから外れて孤立してしまいがちと言われていたそうですが、このハイブリッド制によって、毎週定期的にクラスメイトと交流できるため、コミュニティーとのつながりを継続できるメリットがあるそうです。
ホームスクーリングで勉強している子供達
実際に、ホームスクーリングで勉強している子供達に会ったことがありま
す。
不登校対策に
一人は近所の公園で出会った「通学」が苦痛に感じる小学1年生でした。この子のお母さん曰く、極端に緊張してしまう子で、学校の大人数で学ぶというスタイルに馴染めず、小学校1年生にして不登校になってしまったそうです。でも、1年生の途中からホームスクーリングに切り替えたところ、喜んで家で勉強するようになったということです。
引っ越し先で馴染める学校が見つからない時
小学生から中学生までの子供3兄妹全員がホームスクーリングをしているという家庭にも出会いました。子供たちは、もともとロサンゼルスの、自由な校風を掲げる公立学校に通っていましたが、引っ越しに伴い、その学校に通えなくなりました。地元の新しい学校に通ってみても、馴染めなかったため、全員ホームスクーリングに切り替えたそうです。
このママ曰く、最近のホームスクーリングの教科は多様で、例えばビルゲイツの主催するエンジニアを学ぶオンラインの授業などもあるそうで、どこに住んでいても、ハイレベルで、クオリティーの高い授業が自由に受けられることが魅力と語っていました。
興味のある分野に打ち込みたい子供達
うちの近所にブレイン・ビルダーというSTEM 教育を教えている塾のクラスがあります。
塾と言っても、やっている内容は、実験やロボット作り、理科の実験、レゴ作りなど。
このSTEM 教育の塾、Brain Builder には、面白そうな凝った作品がたくさん飾ってあります。3Dプリンターで作ったロボットや、改造された実際に乗れるゴーカート、レゴで作ったロボットなど。どれもこれも、作るのにとても時間がかりそうなものばかりです。
ふと、ここの塾の受付の人に、「長期休暇のない平日の昼は、どういう生徒が来るの?」と聞いたことがあります。すると、「ホームスクールの学生がたくさんくるよ!」と教えてもらいました。
ホームスクーリングでは、理科の実験や、エンジニアリング、プログラミングなど、自分の興味のあるものに、じっくりと打ち込める時間を作れるのだなと思いました。
ブレイン・ビルダーのホームスクールの学生用のページ↓
カリフォルニアのホームスクールは、オンライン教育や対面での教育を「学校の垣根」を越えて提供することで、子供達が孤立せず、より多様な学習ができるように工夫されているようです。
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