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早朝のスケッチ

雑誌、表現者クライテリオンの同人ブログにて記事を執筆しています。
政治や経済に明るいわけでない私は、自分なりに、文化や藝術に想うことをコラムとして投稿させていただいています。

物の心は、物を見て、見て、見尽くしてから初めてわかるはずです。私たちはその、心にたどり着く以前に、まだその心を表す姿にも辿り着けていない、とも言えます。
本当にまっさらな気持ちで、物を見つめることができれば、そのものの姿が丸ごと見えるのかもしれません。けれど、私たちの頭にはすでに色々な知識が入っていて、それゆえに、目の前の景色はあらゆる屈折を起こしてしまい、ありのままに物を見ることが難しくなっているのだと思います。
それは、絵を描くことだけに限りません。実際に、私は文章を書く時に、思いのままを、思いのままに書くことができず、いつも困ってしまい、原稿用紙を何枚も無駄にしています。

見たままの姿を、見たそのままに捉えることができるほど、私たちは素直でないのかもしれません。もっとこう言う形のはずだとか、こうなっているだろうと、良くも悪くも自分の知識や経験に、目の前のものを当て込んで見る癖がついているのではないかと思います。……

#011 『早朝のスケッチ』 記事本文より


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表現者クライテリオン11月号に、寄稿として『太古の知を訪う』を掲載していただきました。


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