私が医学博士になった経緯
医者で、学位/博士号をとると、「医学博士」になります。
「医学博士」って聞くと、なんだかえらい人みたいじゃない?
英語で書くと、"M.D., Ph.D."になるので、カッコいい!
博士号を表す言葉に
があります。
意味は「取らないと気持ち悪いが、取っても食えない」です。
「えっ、取っても食えんのんかい?」
って思いますよね?
私は当初、博士号をとるつもりはありませんでした。
うちの医局はとっている人もとっていない人も存在していたし、うちの大学院に行くのは、デメリットが大きいと思っていたからです。
これについては、また近々【大学院生に優しい医局と優しくない医局】で書こうと思います。
私が後期研修医を終え、放射線科診断専門医をとった翌年のことです。
学会発表を続け、「まとまったデータを発表するのも面白いな」と思っており、「もうちょっとちゃんとやりたい」と思っていた時でした。
ある企業から借りているソフトを使う臨床研究のチャンスをもらい、論文を書くことに。
私の中で、ちょうどいいタイミングでした。
当然、大変でした。
論文を書くのは大変なことです。
論文の構成とか英語とか
統計ソフトとか文献ソフトの使い方とか
初めてのことばかりです。
出来上がりに近づいていた頃、ある先生が言いました。
「先生、この論文で、博士号取れるかも」と。
「えっ?私、大学院行ってませんけど?」
「博士号には「甲」と「乙」があって、「乙」は論文博士っていって、大学院行ってなくても取れるんだよ。私も〇〇先生も論文博士だよ。規定を確認してみたら?」
と教えてくれました。
そして、大学の規定を確認。
副論文もあるし、研究業績も満たしていたし
論文博士をとるにあたって、最も難解と噂されている英語の試験はパスしていたのでとることに。
(何故か後輩に誘われて、軽い気持ちで受けていました)
「積極的に取りにいくつもりはなかったけど、取れるんだったら取ろうかな」
その後、無事論文もアクセプトされて、学位審査に進みました。
学位審査の準備もそれなりに大変でしたが、学位をもらうことができました。
とったらとったで、けっこう嬉しかったです。
あそこで学位を取ってなかったら、私が研究留学することもなかったと思うし、そしたら結婚して、娘に会うこともできなかったでしょうし、あのとき頑張ってよかったな、と思います!(えっそこ?笑)
論文博士の制度は、今後縮小傾向と聞いたことがあります。
大学によっては、論文博士を認めていないところや、条件がたいそう厳しいところもあるようです。
また大学外部の人だと、とんでもなく学位審査料が高いこともあるようです。
条件について公開している、秋田大学のサイトを見つけたので、貼っておきます↓
一般病院の勤務医や開業医になる場合はわかりませんが、
大学病院で、上の職位につきたい場合、博士号や論文執筆は必要になってきます。
大学病院にいる場合は、しかるべき時に論文を書いておかないと後が大変です。
例えば40-50代になってお初だと
指導医の先生も見つかりにくいだろうし、家庭との両立で、くじけてしまう可能性が高くなると思います。
ノウハウはなるべく若い時に学んだ方がいいでしょう。
食えるか食えないかはおいといて、
学位はとっておいて、損はありませんよ!
最後まで読んでいただきありがとうございます❤︎
これからもどうぞよろしくお願いします!
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