青春の後始末
※漫画ワンピースのネタバレを含みます。
卒業以来所在不明だった親友が家に居付いた。着の身着のまま、学生が使うようなショルダーバッグ一つでふらりとやって来て、もう三日が経つ。
「ごめん、これ返すの忘れてて」
「p、PSP……だと……?」
借りパクされかけていた事より、絶妙に古い我らの青春に衝撃を受けたものだ。
「そういえばルフィが食べた悪魔の実ってゴムゴムじゃなかったらしいねー」
こたつでジャンプ読みながら親友が笑う。
部室で漫画を回し読んでいた頃と同じ笑顔だった。
「は? いや、うちそれ知らん」
「え〜考察班大騒ぎじゃん」
「ちょっと見せて。今本誌どうなっとんの」
「まだ私読んでるんですけどー」
本当に学生ノリ過ぎる。当時はJKブランドの無駄遣いとか言ってた気がするけど、こういうのが良いんだよ。アラフォーに仲間入りしそうな今ならよく分かる。
高校を卒業した、まさにその時と一切何も変わらない姿で彼女は言うのだった。
「やっぱりワンピースの最終回を見届けるまでは成仏出来ないね!」
こちら参加させて頂きました。PSPとかジャンプ回し読みとかはリアル我が青春事情。