動物園で斜に構えた楽しみ方をする
私は動物が好きだ。
たびたび動物園に訪れ、餌を食べながらのんびりしている動物たちを眺めリラックスしている。それが出来ないときはツイッターやインスタなどで、動物の可愛げな画像や動画を眺めてニヤニヤしている。
一般的に、動物を見て思うのは「カワイイー!!」や「癒されるー!!」といったものがほとんどだろう。私も一般的な感性で動物たちを楽しんでいたが、5~6年前にユキヒョウの交尾を発見し、別の楽しみを見つけた。
それは「行動」だ。
これを見た時「かわいい」や「かっこいい」というより、「ガッツリ交尾してんな…」と思ったし、ボソっと隣の人がつぶやいてもいた。
今まで可愛さだけで動物を見ていたが、行動を注目してみるのも楽しみ方の一つだなと思い、あたりを見渡す。すると
ライオンも交尾していた。
人目を気にしないで盛りまくっている。交尾ブームが来ているのかもしてない。この動物の交尾は黙々と行われている。よく昼ドラとかで性に激しい人に対し「あの人、夜は獣のように~」との文言を聞くが、実際はこんなもんだ。「あいつら、動物の交尾も見たことのないニワカだったんだ。」と偏見が生まれた。
この動物園へ訪れた理由はサーバルキャットであったが、交尾を目の当たりにし、興奮冷めやらぬまま1日中交尾している動物を探し続けた。特定の動物ではなく、特定の行動をしている動物を探すのも中々ツウな楽しみ方である。
また交尾以外に、動物の集団での生活を見守るというのも案外楽しいものだ。
集団での生活ともなると、周りと異なった行動をする奴が現れる。私は以前、マザー牧場を訪れた際に、「アヒルの大行進」というイベントに参加した。飼育員の人がエサでアヒルたちを誘導し、客たちの足元へ突撃させる。
エサは基本お客さんの足元(正面)に投げられる。たまに後ろの客の後ろの方にもいくが、ほとんどのアヒルがそれに気づかずスルーする。が、1,2匹は何かに気づき客の後ろルートに行く。
あえて主要ルートをはずれ、確実性を求めに行くアヒルくんにアッパレだ。周りとの競争という点においてはアヒルもヒトも変わらないのかもしれない。多くの人が求める道よりも、あえて道を外れた方が利益を独占できる。
マザー牧場ではたびたびエサ獲得に関し、動物たちが様々な工夫をしている。馬の牧場エリアでは、ニンジンのエサやりを行える。そしてエサ売り場に近い馬ほどニンジンにありつける。
私が行った際も、エサ売り場の手前にいる馬に人が集まっていた。手前の馬はニンジン入れ食い状態で随分と楽にエサを獲得していた。
しかしエサ売り場から遠い馬はなかなかエサを貰えない。そこで注目を集めようとメチャクチャ音を出す。正直、客たちが怖がって逆効果であるが…
羊の場合は、あえてエサ売り場から遠い場所にとどまり、たまに来る客のエサを独占しようとするやつもいる。ただ客が少ない時は一向にエサがもらえないので、とても哀れだ。
かくして、私は「カワイイ」や「癒される」以外にも「ヘンな行動している」という感想が生まれ、その発見のたびに動物たちの背景が想像でき、謎の優越感を得ていた。
もしこれを見ている人が動物園に行く際は、是非とも「行動」にも注目して欲しい。自分だけの発見がそこにあるかもしれないからだ。
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