現役大学生ラッパーが留年するまでの話・大学3年生編④
最後の最後にやらかした初ライブを終えると同時に令和2年度は終わり。俺は大学3年生になった。本来ならば学業や就活に心血を注ぐべき時期に俺が何をしていたかと言うと、第1回MONOGRAMの打ち合わせだった。
話は前後するが2020年の年末に舞鶴でイベントを打つ話が出ており、メンバー総出で準備を進めていたのだ。
この頃はまだ俺はイベントの代表でもなくみんなで分担してイベントを作り上げようという雰囲気だった。第1回MONOGRAMを通じて一番大きな出会いは間違いなうSKRYUさんだと思う。
SPゲストとしてbookingした直後に戦極23賞で優勝し話題性抜群の彼とメールでやり取りを進め、イベントは遂に当日を迎える。
「大学3年の4月は何をしていたんだよ」というツッコミがあるかもしれないが、本当に何もしていない。授業は全てサボりラップする事に生活を捧げていた。
こうして2021の5月1日。第1回MONOGRAMが開幕する。初めてのイベントで右も左も分からないなりに運営をこなし。バトルもライブも盛況のうちに終わった。
舞鶴の仲間のライブやnnsさんなど知り合いのライブやバトルを間近で見て、これまで培ってきた人間関係がそのままその日の楽しさに繋がっている気がして少し泣きそうになった。やはり何事も継続は力なんだと。
中でもSKRYUさんのライブで「楽しみながら音楽をやる人間はこんなにカッコいいのか」と胸を打たれ、自分もこんな人間になりたいと心の奥で決意した。
SKRYUさんに奢ってもらったビールの味は今でも忘れていないし、仲間全員で一体となって作り上げた第1回MONOGRAMはラップを始めてから一番楽しい思い出である。
イベントを通じて自分の積み上げてきたものが認められたようで満足感があったのも大きいが、こんな楽しいことを仕事にできたらいいなぁと漠然と考え始めたのはこの頃のことだ。
こうして盛況で終わったイベントだが俺の中では既に第2回を開く構想が胸の中にあった(続く)
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