森田療法「本当の全治」
「本当に良くなるとどうなるか?」。皆さんどう思いますか?。症状は取れるわけですよね。それはいいんですよ。どうしようかな?。説明いたします。症状が取れるということは、もちろん楽になりますね。普通になるのです。ただその普通というのは、「散々苦労した末に普通になった」という、当然といえば当然の帰結なのです。
ですから、患者さんはとっても嬉しいですよね?。.......嬉しいんですよ。でも正直、ありがたい。そういう気持ちでいっぱいだと思います。私がそうですから。日々の生活は、「普通の生活」です。でもそこにあるものは、昔とは違う自分。与えられたことが、ごく普通にこなせますし、能力もだいたい普通にできる。ただ、語弊がありますね。普通ではなく「そつなく」できるのです。
困るところがないのです。何でもできる。能力値が上がったかのような感覚。そう言ったことの連続です。びっくりするかもしれませんけど、そうなのです。毎日は楽しい。「それだけ」です。それが続く。そしてまた明日が来る。気持ちは朗らか。気持ちについて申しましょうか?。とてもさっぱりしたものです。くさくさした話はしません。ほとんど嫌味もない。
私の事を診てくれた、鈴木知準先生によれば、「カラッとしている、スカッとした感じで物事に頓着しない、明るい感じ」と説明されています。今の私も親には「全然頓着しないね」、と言われています。神経症の時は、愚痴ばかり言ってたんです。病気の時ですからね。仕方がなかったんですよ。でも良くなったら、180度変わりましたね。
人は変わるんですよ。見違えるほど。ただそれには、長年月の時間がかかるようですね。私は症状が出た時、17歳。数年でだいたい全快しましたが、ぶり返して別の病気に...…。その後、精神病になってしまいました。でも良くなるまで、時間はかかりましたけど、治っています。とても苦労した分、現在の自分はとてもありがたいですね。
終わりに、症状がなくなると言うか、症状を超えた状態になると、症状は認識しなくなります。症状から離れます。不安とか、不安でないのはなくなるのです。病気であるとかないとか、そういう感覚ではありません。別の次元に行く。でも昔のことは、覚えてるんですよ。でも全く違う状態で生きているのです。
ありがたい希望の日々、それが「あるがまま」でしょうね?。その毎日です。
おしまい