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森田療法「無意識的注意」

無意識的注意。聞きなれない言葉ですね?。これは私が30年前、森田先生のお弟子さんであった鈴木知準先生の所に入院してた折に聞いた言葉です。森田先生が論文で使ったと言います。今回はそのお話をいたしましょう。今でもはっきりと覚えています。先生は日曜講義という講話をしてくれたのです。その中でのお話でした。

神経症の症状は、森田先生によると精神の固着から生じる。心が固まってしまうのですね。それは自覚的には自分で気づいてるのです。精神の注意が自分の内面に向かっている。それを有意識性と森田先生は述べたと言います。ここで出てくるのが「有意識的注意」です。ちょっと造語でしょうか?。自分で自覚している注意ということでしょうね。


病気の時は注意が、自分で気がついている状態で存在している。心の内面に向かって症状を確認している状態ですか?。それが治っていくと有意識から無意識に変化していくと森田先生は述べたと言います。それを論文にして発表したと鈴木先生はおっしゃっていました。「無意識的注意」とは何でしょうね?。


それは治った末に心が意識されることなく、「自由に流れ動く」ということです。人の心は意志の力では動きません。自律的に自動的に動いているのです。内発的に展開する症状の治癒の形は、無意識性です。それを言っているのですね。私はただの一患者でした。当時の患者さんで、これを述べている人はいるのでしょうか?。鈴木先生は当時、口を酸っぱくして何度も言っていたのです。


あれから30年ですけど、時間が経ちましたね。先生もお亡くなりになって久しいですし、色々昔のことになりましたね。当時私は17歳でした。作業を一生懸命やりましたし、ホームシックにもなりました。休憩時間にはお菓子を頬張る、普通の高校生でしたけど。しかし森田の神髄と言うかとても大事な重要点については、はっきりと覚えてきた気がします。あそこでの体験はそれが最重要点だったのです。




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