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FANGの強さの秘密
FANGとは?
アメリカのテック企業の中では「GAFA」をよく見聞きすると思いますが、「FANG」と括られる企業群も存在します。
FANGとは、「Facebook」「Amazon」「Netflix」「Google」の頭文字をとった呼称で、アメリカの株式投資家ジム・クレイマーが、今後注目したい成長企業群として2015年に提唱し、話題を集めました。
ほかにも、この名称をもとにして、アップル(Apple)を加えた「FAANF」や、エヌビディア(Nvidia)を加えた「FANNFG」などのような、別の企業を加えたり差し替えたりして派生した様々な呼称が生まれています。
今回は、代表的なビジネスモデルの紹介とFANGのビジネスモデルを紹介したいと思います。
ビジネスモデルを知ることでその企業がどのようにして儲けているのかを知ることができるだけでなく、将来の見通しまでわかると思いますので読んでいただけると幸いです。
代表的なビジネスモデル
ここではまず代表的なビジネスモデルについて一般的な知識を紹介したいと思います。
ほとんどの企業がいずれかのビジネスモデルに当てはまるはずです。
①物販モデル
物販モデルは企画・製造・販売までを自社で一貫して行うビジネスモデルです。企業例としてはユニクロがあげられます。
②小売モデル
小売モデルは他社から製品を仕入れて販売に特化するビジネスモデルです。
例としてはセブンイレブンなどのコンビニエンスストアやスーパーマーケットがあげられます。
③広告モデル
広告モデルは自社製品に他社の広告を掲載して収益化するビジネスモデルです。
例としてはGoogleやフリーペーパーがあげられます。
④消耗品モデル
消耗品モデルは本体価格を下げ、付属の消耗品を売って収益化するビジネスモデルです。
例としてはジレットのカミソリやEPSONのプリンターに使用するインクジェットがあげられます。
⑤サブスクリプションモデル
サブスクリプションモデルは月額料金を徴収し、サービスを提供するビジネスモデルです。
例としてはNetflixやAmazon Primeがあげられます。
⑥マッチングモデル
マッチングモデルは人や企業のニーズを結びつけることで収益を上げるビジネスモデルです。
例としては結婚相談所や人材派遣サービスがあげられます。
⑦ライセンスモデル
ライセンスモデルはキャラクターなどの権利を貸与し、使用する企業は権利料を支払うというビジネスモデルです。
例としてはサンリオがあげられます。
⑧二次使用モデル
二次使用モデルは漫画のアニメ化や映画化など既存のコンテンツを形を変えて収益を得るビジネスモデルです。
⑨フリーミアムモデル
フリーミアムモデルは商品やサービスを基本料金無料で提供してユーザーを集め、有料版や追加コンテンツをリリースして収益を得るビジネスモデルです。
例としてはスマホのソーシャルゲームがあげられます。
以上の①~⑨のように様々なビジネスモデルの形態がありますが、1つの企業が1つのビジネスモデルを採用しているわけではなく、例えば①と②を組み合わせるようなビジネスモデルを展開することもあります。
また、1つのビジネスモデルの中でも顧客や顧客価値をシフトすることで新しい価値を生み出す企業もあります。
①顧客をシフトする
お菓子メーカーのグリコは個人向けのお菓子の販売からオフィスグリコを展開することで顧客を企業にシフトし、売上を伸ばしました。
このように提供するターゲットを変えることで新しい価値が生み出されます。
②顧客価値をシフトする
工具メーカーのHILTIは商品(モノ)の販売から整備済み工具のリース(サービス)に方向転換をしたことで利益を伸ばしました。
顧客は工具が欲しいというより、工具を使って材料を切りたいというのがメインの欲求(=顧客価値)です。
HILTIは顧客価値をうまくシフトした企業といえるでしょう。
また、現在ではモノからコトに顧客価値が移っているのを感じられます。
では次にモノからコトに価値が移っている現代のニーズをうまくとらえたあの企業について紹介していきます。
Netflix
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NetflixはVOD(ビデオオンデマンド)サービスで世界シェア1位を誇る企業です。
ビジネスモデルはもちろんサブスクリプションモデルです。
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Netflixはサブスクリプションモデルを変化させた企業とも言えます。
これまでのサブスクリプションモデルは定期的にモノを受け取るだけでした。
モノ(例:雑誌)が定期的に届き、それを利用し、利用し終えたら翌月まで待つ。
というのがこれまでのサブスクリプションモデルでした。
しかし、Netflixのサブスクリプションモデルは皆さんご存じのように自分の好みの場所・時間に好きなだけサービスを享受することが可能です。
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また、最近では広告付きのプランが発表されました。
そのため、サブスクリプションモデルだけでなく、広告モデルも可能になったと言えます。
広告モデルのメリットは広告主から収益を得られるだけでなく、顧客データを活用したビジネスを展開することが可能だということです。
利用者としても広告付きプランは他のプランと安価なのでメリットがあります。
ではなぜNetflixはサブスクリプションモデルだけでなく広告モデルも取り入れたのでしょうか。
それは永遠に安泰なビジネスモデルはないからです。
実はNetflixも競合の登場で加入者が伸び悩んでいます。
また、これまでNetflixで配信していた作品を引き上げて自社のサービスで配信する企業も出てきました。
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それがディズニー+です。
世界でも有数の魅力的なコンテンツを持つディズニーに加入者数を奪われてしまう可能性があり、Netflixは広告モデルを導入することにしたのです。
どんなに多くの顧客を魅了し、安泰に見えるビジネスモデルだとしても通用しなくなる日がこないとは言えません。
技術革新や顧客のニーズの変容などといった外部環境の変化に対応していく姿勢も必要です。
では次にビジネスモデルを変化させようとしている企業について紹介したいと思います。
Facebook (Meta Platforms)
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Facebookはハーバード大学の学生だったマークザッカーバーグが2004年に立ち上げたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)です。
当初はハーバード大学の学生だけを対象にしたサービスでしたが、その後アメリカやイギリスの大学に拡大し、誕生からわずか10か月で100万人の利用者を獲得しました。
そして現在に至るまでアクティブユーザー数は上昇を続けています。
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Facebookの主なサービスはFacebookの他にInstagram、メッセンジャー、ワッツアップです。
そしてFacebookの売上高は右肩上がりで上昇しており、営業利益率も非常に高い数字です。
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日本でFacebookを使っている人は少ないと思われるかもしれませんが、実は世界のSNSといえばFacebookと言っても過言ではありません。
なぜFacebookはここまでメジャーなSNSになれたのでしょうか。
その秘密は「オープン戦略」にあります。
オープン戦略とは自社の広告やアプリの開発技術を広く一般に公開することです。
これにより、多くの企業が容易にFacebookにアプリや広告を提供できるようになり、Facebookの利用者が急増したのです。
ではFacebookはどのようにして利益を上げているのでしょうか。
その答えは広告です。
Facebookは広告に依存していると言ってもいいでしょう。
売上構成を見てもわかるように広告の割合がほぼ100%であり、非常にシンプルなのが特徴です。
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同じように広告で稼ぐGoogleよりもFacebookは広告の比率が高いです。
FacebookがGoogleをしのぐほど広告の比率が高い理由はFacebookの広告の精度が非常に高いからです。
これは広告主が狙っているターゲットにFacebookは適切に広告を出す精度が高いということですね。
この精度の高さの基礎にあるのがFacebookの「実名制」です。
基本的にFacebookは実名で登録することが求められています。
また、学歴や職種など属性を登録するしている人も多いです。
このような個人の詳細をしっかりと握っているのがFacebookの強みです。
また、InstagramやFacebookで「いいね」をするとその情報も記録されます。
その人が何に興味を持っているのかということや趣味趣向がわかるのでそれに合わせた広告を展開することができるのです。
Facebookは2021年に「Meta Platforms」に社名を変更しました。
これはメタバースに今後は注力していくという決意の表れでしょう。
なぜFacebookという名前を捨ててまでメタバースにこだわるのでしょうか。
それはFacebookはプラットフォーマーに変化したいと思っているからです。
Facebookはみなさんご存知の通り、AppleやGoogleのOSで動くアプリです。
SNSの広告収入が柱ですが、言い換えると他社のプラットフォーム上に存在しているサービスといえます。
FacebookはGAFAにも含まれますが、他の企業を見るとAppleはiOS、GoogleはAndroid、AmazonはAWSというプラットフォームを持っているのに対し、Facebookはそれがありません。
そのため新たなプラットフォームを構築したいということでメタバースに注力しているのです。
では次にFacebookより先に非常に高い利益率を叩き出すプラットフォームを構築した企業について紹介します。
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