妄想恋愛詩人

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  • あの日のシンガロング

  • 生きろ

    とにかく自分が書きたいことを書きたいように音楽小説に挑戦するマガジンです。

  • 詩集CRY BABY

    今まで単体での詩は載せてきましたが、詩集としては初のコンセプト詩集。 タイトルの「CRY BABY」は、Netflixのデビルマンのサブタイトルより

  • 普通の話

  • 寝る前とか寝そこねた夜の唄

    夜って大好きで、一日のすべてを背負ってくれるから詩にしやすい。 そんなギリギリを攻める恋愛しだったりします。

最近の記事

あの日のシンガロングvol.3

その日の朝、寝坊した。 今日はバンド内バンド路線研究会。 「おせーよキャプテン」 米原が幹事で書記が齋藤。 あとはお昼ちょっと経って眠いのか、真内姉妹が軽く欠伸をしている。 「珍しい。噂によるとデートだけは遅れない絵仁夢で有名って聞いてるよ」 喜多原がまた余計なこと言ってる。 まぁ、彼女は珍しく僕に友達ができたことを喜んでくれてる。 まぁ仕事中は1人になることが多いが。 「あの日のライブでできなかった今回のやつは出さない。あの曲はバンドが大円団で寿で終わる前かな。まだ

    • あの日のシンガロングvol.2

      とりあえず、出演バンドさん達に頭を下げる。 なんか言われるかなって思ってたら、 「うちらみたいな若造と、インディーとはいえ何年もやられてる先輩たちのすることが、結構奇抜なのとをやるのは知ってます。バンバンにやってください」 さすがに10年は大きいなと思いながらそのまま、SEになん周りもさせ、定時になってアナウンスまでかけてもらった。 それから、何バンドか俺らとは真逆のシューゲーザーバンド、アンビエントとか一昔前だってにしろ、県内の有名な箱でやってるバンドが続き、ラス前で

      • 先言おうと思って言えなかったのですが、「いきろ」も今回の「あの日のシンガロング」はまだ完全ではなく、小説と言えない。 つまり編集が完成さえもしていません。その割に先に進めるのもなんですが、本書きは掲載しようと思ってます。

        • あの日のシンガロング vol.1

          秋元が言った。 「このアルバム用の先行なんだから、頼んで色々やらせてもらおうよ」 「loving to the dream」 タイトルとメンバーの顔を隠した初リリース。 はぁ、何言ってんだ 最初はそう思ってた。 サービス精神旺盛である、変態ギターツインズ(秋元が元々の面子の曲を聞いた時に、「JPUNKでも最近聴かないよ」と称したものを口で言える範囲の言葉として発した言葉)真内深雪、真内御雪の双子も、最初は 「最初のライブなんだし、音響さんに無理させてこの箱でやれ

        あの日のシンガロングvol.3

        • あの日のシンガロングvol.2

        • 先言おうと思って言えなかったのですが、「いきろ」も今回の「あの日のシンガロング」はまだ完全ではなく、小説と言えない。 つまり編集が完成さえもしていません。その割に先に進めるのもなんですが、本書きは掲載しようと思ってます。

        • あの日のシンガロング vol.1

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        記事

          生きろ vol. 9

          あの日のこのことがなかったら、僕は引きこもりだった。 元々dtmの作詩は御幸が書いていて、竹村から「この詩、どう?」 と書き手のことは何も伝えていない。 元々、誰のどの詩も「いい」というかOKって言ってしまえる。だからそれは深雪にとっては、在り来りな、なんの価値もない作品なのだ。 御幸が、いい作品の時はもっと目をランランとさせてまるで食べる勢いくらいで、 「ここのこの部分はこうした方がいい」 「あーここの部分こうしちゃうんですか」 と言う。 ただ単に「いい詩ですね」

          生きろ vol.8

          「こっち、こっち」 店員さんが多分、あちらの方ですか?と聞いていて、こっちを見て確認してから、その4人は悠子側に双子、僕側に米原とヲタクさんが座った。 ヲタクの方をよく見ると、見覚えがあって、 「あれ、齋藤じゃん」 米原同様、昔からの知り合いで、人見知りで声が小さいことを思い出し、やっぱり小さい声で「よぉ、久しぶり」 きっと思ってももないこといってるなと思わされ、相変わらず才能の無駄持ちだと思わされ、「その才能俺にくれよ」と何度神様に頼んだことか。 初見の双子、僕は初見だ

          生きろ vol.7

          iPhoneのiSO17の未設定のアラームが米原からの着信を知らせる。 「絵仁夢、どうよ。明日、文芸大の近くのデニーズなら、お前、近くに住んでるし、バスとか近いから暇なら会おうぜ」 「また無茶な。お前は暇でも僕は仕事があるんだ。それと、あのアルバム、フリーセッションなのかほんとに」 そう、僕はフリーセッションと聞いていたのに、全部違う感じだし、なんなら何日もかけて作っているか、パソコンで編集されているかのごとくちゃんと1曲になっているんだ。確かに米原はベースが上手い。し

          生きろ vol.6

          僕は発達障害だ。 あと統合失調症でもある。 そのためか、僕自身の詩が盛り上がるのが後半になるので dtmの音源は長いものが多い。 しかしそれはdtmのプレースタイルにメンバーたちは違和感がある。 それというのも、もともとdtmはパンクバンドだった。 しかし、それこそ曲が良くても詩がなかなか評価されない。 そして僕は詩人として詩集を出そうとしていて、知り合いの製本所で ヴォーカル・ベースの米原と何年かぶりに再会した。 もう10年は会っていなかった。 僕がクリニックのデイ

          CRYBABY⑥ 僕は正直どうでもいい

          君を癒すためには何年も何年も 時間がかかるだろう 君の左手首の ささやかな反抗を いつまで君が我慢できるかわかんないけど とりあえずハグ 君は「バカ!」って言いながら 大量の涙を流し 「あなたでよかった」 僕自身もそう思ってる 今日は君の誕生日 0:00ちょうどに「おめでとう!」

          CRYBABY⑥ 僕は正直どうでもいい

          生きろ vol.5

          20分くらいで着くと言われていたタクシーが40分かかる。その間、御朱印帳を見たり、トンボ玉根付きみくじを買った。 それでも来ないから近所のパン屋さんで塩パンを買いセブンイレブンでホットの抹茶ラテのペットボトルを買いまた八幡宮に戻り、タクシーを待つ。 ようやく着いた頃には雨は上がっていて、バスでも良かったなと思う。でも、バスは混んでいるから苦手で、乗り換えしなきゃだし、電車の駅も近くにあるけど次の電車までまだ少し時間がある。 そんなことを考えているうちにタクシーが来た。 「

          CRYBABY⑤ 鮪

          ねぇ。 私壊れちゃったみたい。 ベッドで点滴をされて 傷だらけで あなたの声を聞きたくて 電話したいんだけど スマホが使えなくて 「じゃあ、いきる意味わかんなくなった」 また薬がもう蔓延してて しかも新しい薬も貰えないから このまま個室で 服で首を吊ったまま 誰にも知られないまま 死のう

          詩集CRYBABY④

          「会いたいんだけど」 僕はずっと『彼女』は 別れない限り僕のことを好きというか 招集をかければ 1時間もしないうちに 会いに来ると思ってた でも、 最初っから『彼女』は 僕の言葉に嫌悪感があったらしく 「会いたい」が1番気持ち悪いと 思ってたらしい 世界でたった2人残ったとしても やっぱり君は 僕を気持ち悪いと思うのか さぁ、残虐の始まりだ この流れで僕は『彼女』以外を この世から排除を始めよう

          CRYBABY③

          「月がない夜の帰り道」 よく考えたら、 僕の目が斜視で見えづらくて 今日に限って 雨だったからか 歩いて帰るしかない 絶対飲まないと決めてたアルコールで 薬が強く反応してて その勢いで飲めるだけ飲んで 「○○ちゃんと帰りたい」 見えにくい中 しかも今日は3月最初の新月で このタイミングで人生が変わるって たまたま見てた占いで もうそのタイミングしかないみたいに 君に告白した 「はぁ」 笑うでも泣くでも怒るでもなく ぽわっとしてる。 「キスさせてよ」 見づらい中

          詩集CRYBABY②

          「ちょっと違う」 いつもだったらこんな時間は 彼氏と電話してるって知ってて でも、今日は僕のところに グズりながら 「会いたいんだけど」 もちろん拒まない でもその違和感は なんかあったとしか思えなくて 急いで最後のくだりの電車に乗って 君に会いに行くと もう泣き出してる 「振られちゃった」 そっか 望んでたはずなのに あいつと離れて欲しいと思ってたのに 「もう一度、会ってきなよ。」 泣けるほど好きってことは 別れたくないんだから 君はそういうところ 隠しがち そこは僕で補

          彼女と初めて、手を繋いだ日

          ほろ苦いようで、またあの場所でもう一度2人きりになったらやっぱり、手、繋ぐんだろうな。 僕の中で強烈に覚えている映画は、「タイタニック」だったりする。 当時まだあまり2人だけのデートはなかった。僕も彼女も友達を間に挟まないと、やり取りもしない。ただ自分の好きなようにして好きなものを選んで「これいいよ」とどこかしら他人行儀で、そのせいか、何も出来ないまま。 もう30年近く前だし、当時ディカプリオ全盛期で、そのうえで恋愛要素が満載でこういうのは2人で見に行ったほうがいいよな

          彼女と初めて、手を繋いだ日

          詩集:CRY BABY①

          「誕生」 あの日、朝目覚めたら また「ボク」に生まれ変わってる 誰かが悪いなら 誰かを責めれるけど ボクらはずっと 「誰か」に導かれてるんだ 産声が轟く ここはどこだ? 泣いても 笑っても 「ボクら」にしかなれなくて ずっと僕らの思う 「誰か」にしか 選択肢は無い