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【読書記録】あやうく一生懸命生きるところだった(ハ・ワン著)

この本は3年前に買った。初めて買った電子書籍だった。
当時、雑誌でこの本の紹介を見て、どうしてもすぐ読みたくなった。タイトルと表紙の絵に一目惚れした。

3年ぶりに再読した。

この本に限らず、これまで本は読みっぱなしだった。基本、一回読んだらおしまい。記録もつけていない。
で、内容を忘れている。
これでは読んだ意味が半減である。
今まで読んだ本について、面白い本はじっくり再読し、そうでもない本は流し読みして感想を記録に残そうと思う。


「頑張りすぎなくていい」という内容の本はたくさんある。
この本は、「あなたはそんなに頑張りすぎなくていいのよ」みたいな本ではない。著者の実体験を書いている。「頑張りすぎるのをやめることにした」記録である。

自分が“こんなにも”努力したのだから、必ず“これくらいの”見返りがあるべきだという思考こそが苦悩の始まりだ。

『あやうく一生懸命生きるところだった』30ページより

ハ・ワンさん、実はすごく努力家だ。韓国随一の美大「ホンデ大学」に3浪の末合格している。
でも、このことを本人は「大学に入ることに執着して、他の道が見えていなかった」とばっさり。

めちゃくちゃ努力した経験を経たうえで、努力しすぎることをやめることにしたのだ。

道は絶対一つではない。そして信じて進んだその道が、歩んでみると思い描いたものではなかった、ということは実に多い。だから、「絶対あきらめるな」という言葉が嫌いだ。命以外ならすべてあきらめたっていいとすら考えている。

56ページより

ここだけ、「絶対」とか「嫌い」とか強めの言葉が使われている。
公務員試験に4回失敗して自殺した青年がいたらしい。道がこれしかないと思い込み、諦めずに追い込んだ結果、命を絶ってしまう人がいる。そうやって人を追い込む考え方に対するハ・ワンさんの怒りを感じた。


この本は何度も読み返すに値する本。
読みやすいのでプレゼントにもよさそう。
と思ったら、Amazonで「よくプレゼントされている商品2位」って紹介されている。
頑張りすぎている時に読むと、じんわり心に沁みてくる。そんな本。

上から目線でなく、淡々と自分を見つめながら書かれているのも好きなポイント。

ハ・ワンさんはイラストレーター。表紙のパンツ一丁くん含めて、イラストは作者が描いたもの。

しかし、せっかくこの本読んだのに、あくせく頑張りすぎて疲弊して、読んだこと忘れていたのかな。それとも、「努力せよ!」という洗脳がそれだけ強力ってことかな。
いずれにしても、頑張りすぎはあぶない。
なのでこういう本でブレーキをかけるのは大事だと思う。

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