女子選手を預かる難しさ 指導者が向き合うピッチ外
こんにちは
2月から続く歓送迎会に終わりが見え、一息つきたいところですが、この後引越しもありと、バタバタな日々を過ごしております。
2週間前、私が指導しているサッカーチームの女子選手がサッカーを辞めてしまいました。これはチームだけでなく、地域、女子サッカーにとっても大きな出来事であり、ふとため息をついてしまう毎日を過ごしています。
正直に女子選手を預かり、扱うことは簡単ではありませんでした。
今回身を持って色々感じました。
特に思春期が早く来る中で、周りの男子よりも遥かに大人な考えができる女子選手を組織の中で扱うことは本当に難しいものでした。
私自身その女子選手と長い付き合いで、よく会話をするように心がけていましたが、ここ1年ほどは全く会話をすることが出来ませんでした。
サポートしようにも出来ない、距離感の難しさに手を焼きました。
4歳の彼女を見た時の衝撃は忘れません。天性のサッカーセンスと言うべきか
キッズスクールの練習後いつも校庭をドリブルしている風景を思い出しますが、
いつかこの子の担当コーチになれればいいなと思っていました。
私が大学4年のタイミングで1年生となり担当となった際の印象は正直に
「なでしこにはなるだろう」でした
よくあるプロになれそうとか、頑張ればなれるかもではなく、
プロにはなれる ただならないだろう そんな印象でした
男子の中に入っても、物が違いました
柔らかいボールタッチに自然と相手の逆を取れる、そして負けん気の強さ
これは責任重大だな、この子を預かることの責任は大きいと覚悟したことを思い出します。
人数の多い勢いのある学年でしたが、彼女の存在は私にとって大きく、彼女の成長はチームの成長 チームが成長することは彼女がさらに成長する と定義していました。
ただ私が何も言わずともどんどん成長していく姿は頼もしく、学年が上がったらキャプテンにすると早めに伝えていました。
3年生、4年生と学年が上がっていき、なかなかしっかりと対話できなくなりました。数人でいるときには会話できましたが、面と向かって悩みや、サッカーのこと、考えていることを話すことができず、もどかしい時間を過ごしながら、今は我慢、思春期が落ち着いたらまた色々話せるだろうと思っていました。
いつからか、彼女がサッカーへ来るのは当たり前、キャプテンとして先頭にいるのが当たり前と自分の中で思ってしまったところがあったかと思います。
会話をしないなりにもできることがあったなと今となって後悔しています。
保護者や他のコーチ、周りの子からもっと話を聞き出したり、会話をせずとも同じ気持ちの共有をしてあげられたらよかったなと思ってしまいます。
私のいる会社は転勤の多い会社で、単身赴任の方が多くいますが、家庭がうまくいっている方といっていない方の違いは、孤独感、疎外感を感じさせないところなのかなと私は感じています。離れていても、ビデオ通話をしたり、仕事を早く終わらせてなるべく週末の家族の時間を長くしたりと、物理的に遠い分、気持ちだけはせめて近くにあり、孤独感を与えない人は素敵な家庭を築いていると思います。
そんなことを感じていたのにも関わらず、彼女の抱えていたものに対して向き合わなかった自分に対し腹が立ちますし、力の無さを痛感します。
正直に悔しいです。最後まで一緒にサッカーをしたかったなと思います。
まだまだ教えたいこと、伝えたいことがたくさんありました。
ただ、今は彼女の選択した道を応援することしかできません。
そして残っているメンバーとしっかり向き合わないといけません。
同じことを繰り返しては意味がありません。しっかり全員と向き合う必要があります。
そして一番大事なことは、いつでも戻ってこれる体制を作ることです。
サッカーから離れ、サッカーを知る
私がそうだったように、サッカーが日常にもたらすものは計り知れない
彼女が戻って来れる環境、準備だけはずっとしておこうと思います。
せめてそれくらいはしないと指導者、教育者として失格ですよね
孤独感、疎外感を与えないこと これはこの先の人生でも重要になっていくことのような気がします。このできごとを経験にとは今は思えませんが、同じことを繰り返すことは絶対に避けたいと思います。
同じような悩みを抱えている人に少しでも伝わればと思います。