映画「ラストマイル」のマジックワードについて
映画「ラストマイル」を読み解くキーワードであろう言葉
Customer centric(全てはお客様のために)
1回しか見ていないのでアレなんですがずっとモヤモヤしていました。
自分なりに解釈してみたことを書きたいと思います。
“やりがい搾取” という言葉があります。
“やりがい搾取” は最初からやる気のある働き手の積極的な労働意欲を利用して搾取する、という意味合いがあると考えます。
一方 “全てはお客様のために” はごく普通の労働者に向けた言葉だと。
普通、何のためにあなたは働いていますか? という問いには
自分のため。食べるため、承認欲求、注目されたい、自己実現、等。
愛する家族のため。家族を養うため。
会社のため。自分が休むと同僚に迷惑がかかる…。
そして、上のどれでもなく、ただ「お客様のため」。
はじめは自分のため、家族のために働いていた、ごく普通の労働者が、
Customer centric(全てはお客様のために)を連呼しているうちに、
洗脳されるように、心身を顧みず顧客のために誠意を尽くす労働者になる
危険な呪文、魔法の言葉。
だからマジックワード。
日本人には、自分より他人を思いやる、自己犠牲的な観念を美徳とする道徳観があると思います。
「お客様のために、誠心誠意、真心を尽くします!」
なんと美しい言葉でしょう。従業員の鑑です。
さらに、顧客のために真心を尽くす私ってかっこいい! とも思ってしまいそう。