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kazehukaba
父の認知症の話③
前回の記事はこちら↓
免許も返納し、着替えもおぼつかなくなった父。それからは、母も懸命に介護したし、薬も飲み続けたが認知症は進む一方だった。
ある日母からお昼頃電話がかかってきた。「お父さんが浴槽の中で寝てしまった。意識が朦朧としているみたいだから、すぐ救急車を読んでくれ」と。「私の所へ電話する前に自分で救急車呼べばよかったのに」と言ったら「私はお父さんが溺れないように頭を押さえているから呼べないよ」と母。よほど慌てていたのだろう。それで私が呼んだのだが、やはり説明に少し手間取ってしまった。それでも係の人は途中まで話を聞くと「大丈夫ですよ。もう救急車は現場に向かっています」と言いながら質問をしてくれたので安心出来た。
電話を切ってから慌てて実家へ向かった。もう救急車とあと消防車の小さいみたいなのが到着していた。驚いたのは近所の家々から顔を覗かせている人の多さ!昼間は誰も居ないかと思うくらい静かな住宅地だが、こんなに人がいたとは。
家の中に入ると父はすでに浴槽から上げられ居間に寝かされて、意識も戻っていた。念のため病院へ搬送してもらうことになった。母は父に付き添うので私はちょっと離れている所に置いてある車に乗って後を付いていく事に。家の外に出ている人々に「お騒がせしました。お風呂でちょっと寝てしまって」と言いながら歩いて行った。近所の人々は納得してくれたがお昼寝時に申し訳ありませんでした。
その後、父に入浴時のヘルパーさんを頼む事になり一安心。もっと早くに頼んでおけば良かったと後悔しました。
つづく