ドラマ「何かおかしい」第2話「虹色のハンカチ」について考察・感想

ドラマ「何かおかしい」第2話「虹色のハンカチ」

ネタバレあります。

綺麗なサブタイトルと禍々しい絵面のギャップ、垣間見えた花岡さんの人間性、意外な結末にゾクゾクしっぱなしでした!

さて、事件への主人公の関与について検証していきます。

もともと「花岡さんが裏で糸を引いている」説に反対する目的でこの検証を始めたわけですが、ここで早くも片膝をつくことになりそうです……もう片方の脚で6話までなんとか走り抜けます。

この話で起きる出来事は主に3つ。「佐々木さんからCHAMIさんへの復讐」→「佐々木さんによる雨宮議員襲撃?(フェイク)」→「佐々木さんによる片桐弁護士への復讐」

結論から述べると、「佐々木さんからCHAMIさんへの復讐」は花岡さんがお膳立てしたもの。ですが花岡さんの関わりはここまで。片桐弁護士への生放送中の復讐の方はこの企みを利用して佐々木さんが独自に計画したと考えています。

今回も時系列に沿って話を進めます。

①佐々木さんからCHAMIさんへの復讐(ハンカチの真相暴露)

このイベントが成立するまでには、CHAMIさんがハンカチの話をする→SNSで有力な情報が提供される→ラジオを聴いていた佐々木さんから連絡が来る、というざっくり3段階のプロセスが踏まれています。こんな偶然がここまで重なりますかね?

まず、佐々木さんがラジオを聴いていた件。復讐殺人の前にラジオというのはどうも不自然。慰霊式典の中継もだいぶ先です。それならなぜ聴いていたのか? CHAMIさんが虹色のハンカチの家の話をするのを待っていたのです。何のために? タイミングよく電話して真相を暴露するために。

では、どうしてCHAMIさんが虹色のハンカチの話をすると知っていたのでしょうか。そこに花岡さんが絡んでいると仮定すると納得できます。

番組放送前の打ち合わせ中の片桐弁護士と五十嵐さんの会話から、CHAMIさんへの質問コーナーで使うリスナーからの質問を選ぶのは花岡さんの仕事のようです。盛り上がる質問を選ぶには、当然CHAMIさんのことを知らなくてはいけません。だから、事前にCHAMIさんに話したいことや最近の出来事などを聞いていてもおかしくありません。

CHAMIさんとしてはイメージアップを狙いたいところ。ハンカチのことを思い出して、美談として盛って花岡さんに話した。興味あるいは不審を抱いた花岡さんはいろいろ調べて佐々木さんとその目的に行き着いた。おそらくホームページを見つけたのでしょう。そしてホームページには佐々木さんの連絡先、おそらくメールアドレスが載っていたはずです。佐々木さんの家には賛同者から子供服が送られてきています。コンタクトの手段がなければできないことです。

ここで花岡さんは思いついたのではないでしょうか。「生放送中、CHAMIさんに真相を教えたら面白いのではないか」と。ちょっとした悪戯心(?)です。そして佐々木さんと連絡をとり、CHAMIさんの勘違いを正して懲らしめよう、と持ちかけました。

佐々木さんから了承を得たら、今度はCHAMIさんに提案します。虹色のハンカチの家の人と連絡が取れた、番組内で生電話してお涙頂戴エピソードにしましょう、と。だからCHAMIさんは手元にハンカチを用意して、いつでもその話に持って行けるようスタンバイしていた。

このようにして、鯉のぼりをきっかけにCHAMIさんがハンカチの話をする→佐々木さんの家への中継→佐々木さんとの電話からの真相暴露の流れがそれぞれの思惑によって生まれました。

番組途中の「ぽっぽさん」からのメールは花岡さんの自演でしょう。タイミングが良すぎますし、この段階では良いイメージを作っておいた方が安全です。佐々木さんの正体がバレたら計画は台無しですからね。

そして佐々木さんから怒りと真意をぶつけられたCHAMIさんは驚き、恐怖で逃げ去ります。ここまでは花岡さんの計画通り。ここまでは。

②佐々木さんの本当の復讐

この時、花岡さんの想定外のことが起きていました。虹色のハンカチが撤去されていたこと、佐々木さんが出掛けていたこと。電話がつながったのでCHAMIさんへの仕掛けは成功しましたが。

おそらく、花岡さんからCHAMIさんへの生放送中の復讐を持ちかけられた時、佐々木さんは考えたのでしょう。このチャンスを最大限に活用する方法を。CHAMIさんより憎い相手は他にいる。ちょうど「やり方を変えなければ」と思っていた。渡りに船ではありませんか。

佐々木さんが一番憎んでいるのは片桐弁護士。CHAMIさんの弁護人であり、放送中はラジオ局にいると容易に推測できます。その目の前で妻子を轢き殺し、自分と同じ気持ちを味わわせてやろう。佐々木さんは花岡さんの知らないところで計画を練りました。

花岡さんの殺人への関与は、佐々木さんの気持ちの問題とこの件において花岡さんの役割がないことの2点をもって否定できます。

まず佐々木さん側の気持ちについて。よく知らない人間に殺人の計画を打ち明けて協力を求める、なんて普通はしませんよね。通報されますから。

次に花岡さんの役割について。殺人部分は花岡さんがいなくても成立するんですよね。慰霊式典の中継は以前から決まっていたでしょうし、殺人映像は佐々木さん側が勝手に送ってきているだけですし。危険な計画ですから、失敗の可能性を減らすためにもメリットのないことはしないはずです。

*佐々木さんが慰霊式典に姿を現した理由

片桐弁護士の妻子を轢いたのは佐々木さんではないのではないかと考えています。

慰霊式典には雨宮議員が来て、周辺は報道陣で混雑していました。一方、片桐弁護士の妻子の事故現場はがらがらの一本道でした。式典会場から離れた場所だったのではないでしょうか。

それに、妻子を轢いた運転手は二人の居場所をどのように知ったのでしょうか。うまく呼び出したとしても、あの道路を渡る瞬間がいつかを完璧に予想することは出来ないでしょう。

つまり、運転手はずっと片桐弁護士の妻子を見張っていた。そして場所とタイミングを見計らって轢いた。

運転手≠佐々木さんだとすると、佐々木さんが慰霊式典に現れた理由もわかります。カモフラージュです。中継のカメラに映り、自らの姿を見せることで本当の目的からラジオ関係者と片桐弁護士の目を逸らそうとした。万が一にも邪魔が入らないように。

運転手は佐々木さんの賛同者と考えるのが妥当でしょう。交通事故遺族の一人で、片桐弁護士により加害者が大した罰を受けなかったことを恨んでいる、とすれば動機も十分です。佐々木さんとしても同じ感情と経験を共有している相手なら信用できますね。

結論。花岡さんは佐々木さんと手を組んでCHAMIさんにハンカチの秘密を突きつけた。でもその先の殺人には無関係。片桐弁護士への復讐は、花岡さんの提案を利用して佐々木さんが企んだこと。

だいぶ長くなりました。お読みいただきありがとうございます。

それにしても花岡さん、黒目と白目の比率が絶妙ですね。あと「素人は黙ってろよ」「番組的には美味しいですけど」の台詞がとても気に入っています。

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