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「地獄の中の天国」:14時間の旅がもたらしたウユニの絶景
もし天国があるなら、あの場所であってほしい。ウユニ塩湖の鏡面に立ったとき、そんな想いが湧き上がってきました。 すべての苦しみを超えたその先に広がる景色がこんなに美しいのなら、どれだけ幸せなことだろうと。
ウユニ塩湖までの道のりには2つの選択肢がありました。一つは短時間で到着する飛行機。もう一つは、14時間もかけてラパスから向かうバス。 しかし、10代最後の世界一周旅行中、贅沢な選択はできない。結局、長旅であるバスを選ぶことにしました。フライト時間も含めれば、長時間の移動には慣れていたものの、ウユニへの道中は予想以上でした。道は荒れ、崖が間近に迫る場面もあり、心から無事を祈るしかありませんでした。
ウユニ塩湖近くの街に到着したとき、その場所は「世界の果て」そのもののように感じました。乾いた空気とひっそりとした街。 ここから1泊街で過ごしながらツアーを申し込み、翌日湖へ向かうことになり、何人かの日本人を誘って申し込みました(◯人集まれば車を出す、という定員制だったので)。夜空に映る鏡面の星空を見たくて、湖の中心にある塩のホテルも予約し、いよいよウユニ塩湖へ。
車が湖へ入ると、はじめは泥が混じっていて本当に「鏡面」が見られるのか不安になりました。 しかし、中心に向かうにつれて水は澄み、足元には塩湖特有の六角形の模様が広がり、心を奪われていきます。そしてついに、鏡のような湖面に降り立ったときのあの感覚。「これが天国なら…」。地獄のような道のりを越えた先にある、天上の美しさに心が震えました。
空には積乱雲が浮かび、空の中のあらゆる色が湖面に反射して光り輝いていました。 無風の瞬間を待って写真を撮ろうと試みるものの、風が吹くと揺らいでしまう湖面の景色。あの絶景を収めるのは決して容易ではありませんでした。
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夜、塩のホテルに泊まり星空を待ち望んでいたものの、快適さ(水も出ない、ベッドも塩で出来てるので固く、リネン類も基本洗っていないのでベタベタ)はなく、疲れ切った私は深い眠りに落ちました。宿泊者に「曇ってるけど、外行って星見られるかみる?」と誘われたとき、「ありがとう」とだけ答えて眠り続けてしまいました。それでも、昼間に見た絶景だけで十分だと思えたのです。
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ウユニ塩湖は決して容易にたどり着ける場所ではありません。 しかし、人生で一度は訪れる価値がある場所です。 異常気象の影響で鏡面が見られる機会は減っているとも聞きます。余裕のあるスケジュールと、塩のホテル滞在への覚悟も必要かもしれませんが、あの「天国のような世界」は一生の宝物です。
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