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「洗う」ということ①
コロナやインフルエンザなどの感染症の予防に関して、手を洗うということは基本的な対策のひとつであるそうです。
今回は「洗う」ということについて考えてみたいと思います。
「洗う」ということは、物理的な浄化だけでなく、精神的な浄化や再生の象徴ともなっているようです。
心理学で言う「カタルシス」は、抑えられていた感情が解放され、心の中がすっきりすることだそうで、心の浄化を表しているようです。
また、「水に流す」という言葉も、、過去の出来事や問題を忘れてしまう、またはそれを許すという意味で、新たな気持ちで再出発をするといった意味も含まれていると思います。
一方、多くの宗教において、水を使った禊や沐浴は罪や穢れを祓い、心身を清める儀式として重要な意味を持っています。その主な例は以下のものがあるそうです。
・神道:神道では、手水舎で手を洗い、口をすすぐことで、神社に入る前に心身を清めます。また、禊(みそぎ)という儀式では、水に浸かることで穢れを祓います。
・仏教:仏教では、沐浴は心身を清める修行の一つとされています。また、仏像を清めることも重要な行為です。
・キリスト教:キリスト教における洗礼は、水に浸かることで罪を洗い清め、キリスト教徒として新たに生まれる儀式です。
・イスラム教:イスラム教では、礼拝の前や特定の状況でウドゥーと呼ばれる手や顔、足などを洗う浄めの儀式を行います。
・ヒンドゥー教:ヒンドゥー教では、ガンジス川などの聖なる川で沐浴することが、罪を洗い流し、魂を浄化すると信じられています。
これらの「洗う」という行為は、過去の失敗や後悔を洗い流し、自己のアイデンティティを更新するという意味があるように思います。そのことは、個人が高いストレスに晒される現代社会においても重要なことなのではないでしょうか。
少し長くなりそうなので、この続きは次回にしたいと思います。