宗教や信仰についての雑記 #256
◯基本的人権
先日、某都道府県知事への不信任決議案が全会一致で可決され、それにより知事が失職したというニュースを見ました。
パワハラや不正な贈答品の授受に関する内部告発を受けて、その告発者を特定して処分したことが、その理由のようです。
民主主義の根底あるいは背景には「神のもとの平等」という思想があるそうです。選挙によって選ばれた首長であっても、その「平等」という原則は変わりません。このニュースについてはあまり詳しいことは知らないのですが、パワハラや不当な処分などが本当にあったとしたら、それはその「平等」ということの認識か欠けていたか、希薄になってしまっていたことによるのではないかとも思えます。
この「平等」というのは、誰もが基本的人権を持っているということでもあります。その基本的人権とは何でしょう。
権利とは一般に責任能力の裏付けが必要なものとされています。ですから判断能力や責任能力の未熟な子どもについては、財産権や選挙権などいくつかの権利が制限されています。でもそれらは子どもの発達に応じて徐々に制限が解除されるものです。
それでは昏睡状態などで判断能力や責任能力が失われている人についてはどうでしょうか。この場合もいくつかの権利が制限されるようですが、全ての権利が制限されるわけではないそうです。
だとすれば基本的人権とは、判断能力や責任能力の裏付けを必要としない権利、ということになります。
その権利を持つための条件はただ一つ。人間であること、人としてこの世に生まれてきたこと、それだけということになります。
それは言わば「神に似せて造られたもの」としての人間が持つ権利ということなのでしょう。
政治の世界にもそのような思想が根底には流れていることを、忘れないようにしてほしいです。