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宗教や信仰についての雑記 #99
◯「なぜ私だけが苦しむのか」を読んで④
この本の最後で著者は、正しい人々になぜ悪いことが起こるのか、という問に答えはあるのかと自問しています。
そして「答え」という言葉には「説明」という意味の他に「応答」という意味もあり、その意味であれば答えを見つけられるとしています。
それは問の形が変わってしまったということであり、それは、悪いことがなぜ起こるかの説明ではなく、起きてしまったことに対してあなたはどう応えるのかと問いかけられているということなのだそうです。
そしてその応えるということは、突き詰めて言えば、世界を愛するということだそうです。
様々な災害や事故や事件に満ち溢れている一方で、多くの良いものや美しいものもある、不完全なこの世界を愛せるか、そんな不完全な世界を造った神を赦せるか、ということです。
人は誰もが不完全で、良いところもあれば悪いところもある。でも人はそんな不完全な人を愛することができる。どんな親も不完全ではあるけれど、それでも子は親を愛することができる。そうであるならば不完全なこの世界も愛せるのではないかと、著者はそう言いたいようです。
また著者は、悪いことを起こすことも防ぐこともできない神はなんのために存在するのか、という問いに対しては、こんな理不尽で残酷な世界を生き抜くための強さを神は与えてくれると答えています。
そして赦すことと愛することは、この不完全な世界を生きてゆくために神が与えてくれた武器であるとも言っています。
これについての感想は、少し長くなりそうなので次回にしたいと思います。