宗教や信仰についての雑記 #209
◯ホーソン効果
前回、「観測者効果」について触れましたが、それに関して「ホーソン効果」という言葉を思い出しました。
ホーソン効果とは、人が注目されていると感じると、その期待に応えようとして、通常よりも高いパフォーマンスを発揮する現象を指します。
「ホーソン効果」という名前は、1924年から1932年の間にアメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた、一連の実験からその現象が発見されたことに由来します。
この実験では、照明の明るさや休憩時間などを変化させながら、労働者の生産性にどのような影響があるかを観察しました。
実験の結果、照明の明るさに関わらず、労働者の生産性が向上するという不思議な現象が起こりました。このことから、労働条件そのものよりも、「実験に参加している」という意識や「注目されている」という感覚が、労働者のやる気を高め、生産性を向上させたのではないかと考えられました。
宗教や信仰にも、この「ホーソン効果」のような面があるような気がします。
神仏のような超越者から自分は使命を与えられている、常に期待され注目されている、といった感覚が、生きる意欲を高めるのではないでしょうか。
もし今後、内省や内観をする機会があったなら、そのときは、私自身を観ているのは私だけでなく、私の眼を通して超越者も観ているのだと観想できればいいなと、そんなふうにも思うのです。
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