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短いお話(松ぼっくり)

小柄な男が松ぼっくりを拾っている。笠が開きすぎているものは避け、小ぶりで形の良いものだけを選んで布袋に入れている。布袋がいっぱいになると、それを肩にかけて家に帰る。

暖炉の前に腰掛けた男は、拾ってきた松ぼっくりをひとつ、火の中に放り込む。ぱちぱち音がして、ポップコーンのような甘くて香ばしい香りがあたりを漂う。男は満足したように目を閉じ、深く息を吸い込んだ。

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