インフルエンザとCOVID-19とマスクと
大規模プロジェクトにインフルエンザ患者が
炎上案件に携わっていた時の話。
BPさん(協力会社の人)がある日会社を休んだ。
まもなくして彼はインフルエンザを発症していたことが発覚した。
プロジェクトは大規模だ。
50人が小さなマンションの一室にすし詰めになっている。
しかも炎上中だ。
これ以上の進捗の遅れは許されない。
さてどうする。
オフィスに「マスク、手洗い、うがい推奨」のお触れが出た。
なんじゃそりゃ。
欧州人な私は思った。
欧米人のマスク嫌い
「マスクは重病人がするもの」
これが欧米での根本的な考え方だ。
絶対近寄っちゃいけない人的な。
というか出歩いていてはまずい人みたいな。
マスクの予防効果なんて誰も信じていない。
どんな性能の良いマスクを付けたって隙間はできるし、どうせそこからウィルスが入ったりするんだろう。
大方こんな感じ。
文化的に口を覆う服装に抵抗があるかどうかが結局は大きいとは思う。
というのも欧州では人の口を見て発音を判断することが多く、子供の頃からそのように教育される。
私もその例外ではなく、鼻炎で呼吸が苦しいからといわゆる「顎マスク」状態。
隣の子からは「それじゃマスクしてる意味ないよ〜」と怪訝な顔をされるも私の信念は揺るがなかった。
このマスクに対する忌避感は日本人が想像する以上に根深いのだ。
しかし、ここまでマスク絶対拒否だった私の意識が変わる出来事が起きた。
COVID-19ことSARS-CoV-2の登場
私は気管支疾患の親を持っている。
これは気をつけなければと思った。
まあ、働いていなかったから罹患リスクはめちゃくちゃ低かったのだけど。
ついに私はマスクを装着して出歩いた。
私は折れたのだ。
マスクをしなければいけない現実を受け入れ、信念を変えたのだ。
コロナが現れてからというもの、海外で意識が変わったかと思えば私の出身国では未だにアンチマスク派が多い。
「お上に言われたのなら仕方ない」と公共交通機関や店舗内で着用はするものの
日本のニュースで地元の映像を見たとき「ああ、何もわかってないな」と思った。
映像の中で女性たちが現地語で「それ(マスク)貸してくれない?」と言って連れの女性からマスクを借りて店の中へ入っていった。
意味ねえ。
要は「風邪と同じなんだから今まで通りでいいってことじゃん…」
という気持ちが大きいみたいようで、そこは個人的には理解はできなくもない。
モルヌピラビルが出回るまで治療薬も特になかったし、そもそも欧州ではインフルエンザなどで専用役を投薬をするという考え方がない。もらってもせき止め程度だ。現在コロナでは主に5種類の薬が状況に合わせて処方されているようだった。
1. 抗ウィルス薬
2. 循環器系の薬
3. 免疫調整役
4. 肺疾患の薬
5. コロナ後遺症の薬
アジア人と流行性疾患
日本人はコロナ騒ぎの前からマスクをする傾向にあり、本当に風邪予防だったり、単なるすっぴん隠しだったり、理由は様々だった。
外国では不思議がられてテレビで特集が組まれるほどだった。
今回の騒ぎを経て(まだ終わってはいないが)、アジア人は用心深いというよりはそこにある現実を素直に受け入れてる雰囲気がある気がした。
「マスク、手洗い、その他で他の感染症も減ったよ」
「じゃあ今までよりいいじゃんね」みたいな。
欧米人がいつになったらマスクを外せるのかと待ちわびている間、元の生活に戻ろうなんていう気はさらさらなかったのだろう。
「新しい生活様式」というのはいいスローガンだったなと今となって思う。
next levelという感じがして良かった。
より衛生意識の高まった世界で私たちは生きていくんだろう。