思いのままにただ綴るドラマ・アンメット愛5~心の揺れに寄り添うBGMの使い方
アンメット語りを始めて5回目。
第1話をずっと語っていますが、考えてみればまだ導入部。
やっぱり私、思いがもう、堰き止めてられないぐらい大渋滞していたんだなあ~とあらためて感じています(笑)
「優秀な医者」発動
「受け入れ要請です。30代女性。血圧120の75右麻痺あり。開眼はしてますが発語が見られないそうです」(←多分(笑)。ちゃんと聞き取れてないかも)
この情報で、即「脳卒中か」とつぶやく星前先生をよそに、
白衣に突っ込んでいた両手を出して駆け寄り、さっさと看護師さんから電話を奪ってしまう「まだ院内案内してもらってる途中」のはずの三瓶先生。
だからね、本当は案内なんてどっちでもいいんですよね?
ちょっとね、川内先生と二人で話したかったんでしょ?院内デート?
もちろん、医者としてもね。
あ、もちろん、これ、↑ 二人は初対面のていなんで、初見ではそんな風に思って見てません。
こういう勝手な個人的感想は今後、太字にしておこうかな💦
「麻痺が出現したのは何時頃ですか」時計を確認するのに電話を持ち替える。
「わかりましたすぐに運んでください何分で着きますか」
この、畳みかけるような早口、「しゃべってる時間ももったいないんで」感たらっ♡♡
その様子を半ば茫然と見つめる川内先生、そして星前先生。
「15分で着きます。CTとMRIの準備、」
その素早さに?驚きながらもちゃんと返事をする大槻看護師、出来る女だ。
その返事も聞かずに、先生たちを振り返る三瓶先生。早口でがんがん支持を出す。
アメリカ帰りってだけで?もうリスペクトしちゃってる風間先生、かわいいえくぼで「はい」と素直なお返事を返し、即、動き出している様子。
「緊急手術の時は助手をお願いします」
傍らのミヤビちゃんを見て、ややおずおずと、
「緊急手術の時は、助手をお願いします」と頭を下げる三瓶先生。
医者としての、川内先生への敬意を感じます。
すぐ動き出す三瓶先生を「いえ、、私は」と慌てて止めるミヤビちゃん。
足を止めて一瞬ミヤビちゃんを見つめて、、、
でも、何も言わずにさっと行ってしまう三瓶先生は、この時、何を思っていたのだろう。
その後の展開を知らずに見ている分には
「彼女は何を言いたいんだろう、でも時間がないから」という感じで立ち去ったように見えるけれど。
でも、その後を知るに、ミヤビちゃんの言いたいことがわからないなら、「何ですか?」ってちゃんと聞くようにも思うんですよね。
どこまで、彼女の状況を知っていたのだろう……
ここで、また私の妄想話に突入です。
安易に説明しないドラマ
今綴っている部分は、上記にある「ミヤビが院内を案内していると」と「急患が運び込まれてくる」の間のシーンです。
星前先生が記憶障害の話をするのはもっと後、急患の治療が終わってから、という流れになっているので、この時点では、視聴者には「まだ三瓶先生はミヤビちゃんのことを全く知らない」と見えている。
でも、その後のネタバレ的な話で言うと、三瓶先生はすでに記憶障害のことを知っているんですよね。
その上で、未だ私にわからないのは、三瓶先生がこの時点で、ミヤビちゃんの何をどこまで知っていて、何を知らないのか?ってことです。
・記憶障害は知っていても、職場での状況は本当に全く知らなかったのか。知らずに純粋に「助手をお願いします」と言っているのか。
立ち止まったのは、初めてミヤビちゃんの不安に触れて、「どうしたのかな、後で聞かないと」「でも今は患者だ」って判断の刹那だったのか。
・実はある程度のことは知っている、あるいは予想していて、「やっぱりか」「このことは後で話しましょう」と思っているのか。
そういうことにわかりやすい答えを必ずしも用意していないドラマなんですね。
全部を説明しない。
うん、そこがいいの!!と力を込めて言いたいです。
だって、こうやって、未だに考えられる。この時間が楽しい。
少なくとも、演じている若葉竜也さんと、脚本家、演出家の中では、ここで三瓶先生が何を思ってミヤビちゃんの不安そうな顔を見つめた上で何も言わずに去るのか、明確な意図と理解を持っているはずですよね。
どちらにしろ、三瓶先生は「さあ患者を受け入れますよ、全力で助けますよすぐ行きますよ」モードなので、ミヤビちゃんも言葉を続けられない……
記憶にある医者としての自分と、朝知ったばかりの自分の絶望的な状況のギャップ、どう対応するのが正しいのかわからない不安と、精一杯急患対応したい気持ちのせめぎあいで、うまく言葉が出ないのかもしれない。
とにかく、三瓶先生を追いかける。
何がやれても、やれなくても、ミヤビちゃんは脳外科の人ですものね。
二人を見送る星前先生、呆れ顔で苦笑いして
まあ、このセリフは不要だったかなー。
その何とも言えない呆れ顔で十分ですよね。
低く静かに不穏な音を奏でていたBGMは、ここで一転、ドラムを打ち鳴らして、救急車到着です。
BGMのない場面が浮き立たせるもの
BGMなんですけど。
最初からずっと、まるで物語に合わせて、その場で奏でているかのよう。
呼吸のように、鼓動のように、ドラマに寄り添っています。
BGMだけ取り出して聞いても、ドラマの中身が思い出せそうなぐらいです。
一方、二人の出会いのシーン、グミの話のくだりまで、にはBGMがありません。
じっくり、二人の会話だけ。堪能しました。
劇的な効果音を入れたりしないことで、余計な詮索や誤解を持たずに見ることができたように思います。
下手に音楽入れて、視聴者をあらぬ方向に誘導しない、そんな良心すら感じたりして。
アンメットは、個人的にグッとくるカメラワークだったり光の使い方だったり、映像にときめくドラマなんですが、音楽の使い方もおしゃれと言うか……洗練されていると感じています。
音楽を担当されている、fox capture plan さん。
ピアノ・キーボード、コントラバス、ドラムのスリーピース・インストゥルメンタルバンドなんですね。
https://www.foxcaptureplan.com/works
いろいろ人気ドラマや映画を、たくさん担当されているんですねえ。
確かに、アンメット後、結構すぐに、「あれ?アンメット??」と思うような音楽を何かで聞いた記憶があります。
さあ、いよいよ、急患。
医療ドラマ開幕ですね。
感想は 6 へ続きます