
思いのままにただ綴るドラマ・アンメット愛24~パートナーとして
2024年春ドラマ「アンメット・ある脳外科医の日記」第1話の感想を綿々と綴っています。ちょっといちいち細かいですよね。でもちっとも反省できない、勢いだけなんです(笑)。
ようやっと、終盤戦です。これまで以上に怒涛の展開に。
前回23は、医師・川内ミヤビ先生が自身の人生を取り戻し、第1話のゲスト、風間俊介さん・中村映里子さん演じる夫婦が「失語症」と言う困難を乗り越えてまた新たに二人の人生を紡いでいくための、その灯がともる瞬間を目にするところまででした。
アンメットは、看護助手を下に見ている?
ここまでで、視聴者には、ミヤビ先生が医者として生きるか、諦めるか、その葛藤を一人で乗り越えたように見えている段階だと思います。
三瓶先生は、看護助手だったミヤビちゃんを医者に戻そうと尽力しますが、アメリカから来たばかり。あくまで個人的な得手勝手で、ミヤビちゃんの思いに寄り添っているわけではない……とも考えられるので。。
「せっかく看護助手として懸命に頑張っているのに、看護助手として生きて何が悪い。このドラマは看護助手を低く見ている」
という感想を見かけたことがあります。
看護助手が主人公のドラマなら、そこは重要なポイントになってきますよね。看護助手の尽力がなくては、病院は動かない。そのことに気がついて、自分の大事な仕事として、使命感とやりがいを見出す。それもまた素晴らしい物語です。
まあ、ミヤビちゃんの記憶さえ繋がってれば、それもあり得ますよね。
脳の損傷で、記憶はあっても、指先が思うように動かなくなったとかね。
ミヤビちゃんの場合、脳外科医を自ら志望し、高度な技術を何年も掛けて学んだその思いとは全く無関係に、朝、目覚めたら突然(ミヤビちゃんにとっての毎朝)、「え?わたしって今、看護助手なの?マジ?」状態。毎朝気分は今日から新人看護助手。
一方で「脳外科医だ」の記憶があるもんだから、目の前に患者がいると「救いたい」と思ってしまう、でも、どうやら自分はもうできない、しちゃいけないらしい……
毎日がその葛藤の連続。自分が脳外科医でないことに芯から納得する暇もない上に、看護助手にやりがいを見出す以前に、また夜が来て朝が来て、記憶は全部消えるわけですから。
看護助手を上とか下とか、このドラマでそういうのを読み取ってしまう人は、もしかして、川栄ちゃんのナースエイド姿を先に見てたのかもしれませんね。あるある、そういうの私もたまにあります。別のドラマの感化が残ってる時って。
そうそう、私も「ちょっととなりのナースエイドっぽいな」って最初思ったわ! うん、今思い出しました。すぐに、いやいや内容がぜーーんぜん違うわ~と感じたので、すっかり忘れてたです。
「説明が少ない」ドラマの、ウイークポイントですかねえ。
そういう勘違い?で、1話途中ぐらいで離脱した人がおられるなら、どうか戻って来てほしい~~! しばらく、辛抱強く見守ってほしいなあ、と切に思います。もしかしたら勘違いが解けたときに、いいドラマじゃん!ってなるかもだから。もったいないですもんねえ。
アタシヲタベルノォ?
さて。
ミヤビちゃんと話すことで、二人のこれまでの日々を思い出した女優赤嶺レナさんの夫、江本さんは、女優を諦め手術を拒否しているレナさんと話すことにしました。場面はレナさんの病室です。
生気のない顔でベッドに座っているレナさん。
江本さんは、窓側に立って、たい焼きの袋を開いています。なんだかおいしそうだなあ(笑)。鳴門たい焼き本舗っぽい?

先に「いつものたい焼き買ってきたよ」って場面がありましたし、二人でたい焼き食べてる回想もありましたね。
レナさんの好物、なのかしら。
夫さんの顔は影。この印影が、画面に深みをもたらしてくれる気がする。
「たい焼き、こないだ食べ損ねたでしょ」
袋から取り出して……でも…
食べ損ねたのは、ドラマの主役を降りることが決まったと聞いた日。
「これからどうしたい?」と聞かれてしまった、あの日ですね……。
レナさん、大好きなはずの?たい焼きも全然喜べません。
「ェェェ~アタシヲ タベルノォ?」
夫さん、回想の中で、二人が並んでたい焼きを食べているときに、同じことをしていました。
思わず笑顔になるレナさん。思い出してますよね。幸せな時間を。
これも、よくあるドラマだと、回想シーンも同じセリフを流して、視聴者に「あの時のセリフだ」とわからせようとすると思うんです。
でも、アンメットは、回想シーンは回想として切り分けました。
回想シーンの江本さんは、ここは音楽が流れていてセリフがわからなかったんです。私たちにわかるのは、「楽しそう、幸せそう」だけ。
同じ言葉を繰り返さなくても、「あ、あの時、夫さんはこれを言ってたのか!」と視聴者に発見させる方を選んでいるのだと思いました。
二人の人生を諦めない
レナさん、思わず笑顔に。
思い出しましたか?二人の幸せな時間。
江本さん、まだ心配そうな感じ。真剣な顔でレナさんをじっと見ながら続けます。
レナ。
俺は諦めたくないよ
こういう……俺たちの人生を
それをじっと見つめるレナさんの表情が違ってきます。
驚きと、希望。
江本さん。レナさんの手を取ります。
「私たちはやれる」
そして、そっと、優しく優しく「へんしん」。
二人の間にある、同じ記憶。
幸せな。
それを持っていることの強さを目の当たりにして、「でも、結構よくある感動シーン」とか思っていた私。殴ってやりたい✊
第1話なんだから、仕方ないんだけど(笑)。
この夫婦が見せてくれた、「記憶が人を救う」物語は、アンメットが最終回まで、最後のシーンにまで真っ直ぐに繋がる物語だったと、今は思っています。
記憶を失くしたミヤビちゃんは気付いていなくても、、
三瓶先生にとっては……
今自分が置かれている立場、ミヤビちゃんの境遇を見つめている状況が、そのまま江本夫婦にリンクしている。
まだ可能性があるんだから、わたしたちが後押しできるから、どうか二人の人生を諦めないでほしい…
ミヤビちゃん自身がその思いを口にすることは、三瓶先生へのエールにもなったんじゃないか……。
たとえ過去を思い出さなくても、そんな気持ちがミヤビちゃんの胸にちゃんとある。
三瓶先生の、ミヤビちゃんが力強く江本さんに放った言葉への反応は、そこにあったのかもしれない……。
江本さんも諦めてるんじゃないですか?
を隣で聞いた瞬間の。あの反応。 え。 って表情ね。
自分もまた、ミヤビちゃんの可能性を諦めないでいるんだものね。
ぼくがやります
カット切り替わりまして。
風雲急を告げるような激しいストリングスBGMが鳴り響く中、カンファレンスの場です。
主治医として、ミヤビちゃんが発言しています。
隣には、手持ち無沙汰風によそ見して腕組みの三瓶先生。ええ、よそ見なんかじゃないですね。わかってますよう!(笑)
「江本レナさんの手術が決まりました」。力強い晴れやか笑顔!
多くの関係者がいる明かりを落とした会議室で、スクリーンに大写しのレナさんのCT画像。
手術内容を説明するミヤビちゃん。
アップになる、傍らの三瓶先生、眠そうな目で表情を変えません。
ですが、三瓶先生がアップになるとき、それは必ず何か考えている時。
何を???
ここで、成増先生と星前先生が映ります。
話を冷静に聞いてる風の成増先生、
星前先生は明らかに嬉し気で、隠しません。というか、笑顔のエールを送っているのでしょうか。ミヤビちゃんいいぞぉ~!ていう。
「確認ですが」
はい出ました。津幡師長。
「その手術はどなたがなさるんですか」
ぐいっとミヤビちゃんを見据えています。
「脳の血管を吻合する手術には、それ相応の実績が必要だと思いますが…」
そうなのね。
大事な説明セリフです。
「吻合」ってよくはわからないんだけれど、実績が必要。なんだって。
うーーん、、誰だって「初めて」から始まるもんだけれど、どういう実績が必要なんだろう。難しいなあ、外科手術。
でも、そんな津幡師長の厳しい質問も、余裕の表情で聞いてるミヤビちゃん。
早い!顔を上げて三瓶先生「ぼくがやります」。
即答!👍
ミヤビちゃんに言わせないのね。はいぼくが言いますよ。うふふ!たまらーん!またこの「やります」の発音が。リピートしちゃうんだからもうっ!
力こもってないんですよね。ほんと、抜けてるって言うか。
ここがね、よくある演出と全然違ってませんか。
目力とか、カメラワークとか、普通はわざとらしくかっこつけちゃう。
三瓶先生に言われちゃったら、さすがに津幡師長「ぐうの音も」出ない表情。
「賢明なご判断だと思いますが」
一瞬で挫かれて、え?そうなの?ほんと?って感じが無きにしも。
あんなに、「川内先生は手術ができます」って頑張ってたのに?ってね。
いよいよ次は運命の、レナさんの手術。まだまだ畳みかける山場!
は、次回25で。
