天婦羅素数

活字中毒気味Photgrapher Imagine教 ミスリム原理主義

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最近の記事

BAR ロッケン 深爪深夜の物語

ディアハンター 後編 店の扉が開いて男性客が入ってきた。 「いらっしゃいませ」 深夜がこちらへと案内していると 「川ちゃん?」 と案内されている客が川場さんに声をかけてきた。 「おお、宮ちゃん」 どうやら二人は知り合いらしいので朱鷺が一緒にテーブルに移りますかと声をかけたが、宮ちゃんと呼ばれた男性が 「川ちゃんの隣の席でも良い?」と聞きながら答えを待つまでもなく椅子を引いて腰を下ろした。 川ちゃんと宮ちゃんは久しぶりだなとかなんとかひとしきり旧交を温め合ってから宮ちゃんが

    • BAR ロッケン 深爪深夜の物語

      ディアハンター 前編 朱鷺がこの店を継いだあと、これまでの常連客が物見遊山でやってきた 店の雰囲気変わっただの カラオケ無くなったのか ボトルキープしてたのどうなったのか お酌してくれないのかなど あれこれ言うのを聞き流していた。 実際おじさんがやっていた頃のいわゆるスナックがどんなだったのか知らなかったので、合わせようにも何も深爪深夜と一緒にあれこれ試行錯誤しながら現在のバーという形態に落ち着いたのだ。ほとんど深爪深夜の言うがままだったのだが、、 そういう昔の店からの常連

      • 紫金山アトラス彗星

        夕暮れの西の空にあるという いるという 東京都下から双眼鏡でぐるぐる探してみるもののサッパリ見えず カメラで撮影してモニターでようやく確認したのが上記の写真 10月14日18時10分頃 やはりそこにいた 見えぬけれどあるんだよ

        • BARロッケン 深爪深夜の物語

          ホットバタードラム後編 「ここ私が店をやっているんじゃなくって私の持ち物、オーナーなのよ。ちょっと前までは私のおじさんがこの店をやっていたんだけど、もう歳だから閉めるって言ってね。私に話が回ってきたのよ。最初は断っていたんだけどさ、このビル全部譲るからって言われて。おじさんて独身で身近な親戚はうちの家族くらいなものだったの。私はたしかに昔からすごく可愛がられてたってのもあるんだろうけど、とにかく生前分与って形でもらったのよ。もらったのはいいんだけど見ての通り店は叔父さんが閉

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          ホットバタードラム前編 隣の駅から弟が助けを乞う電話をかけてきた 間違えて降りちゃったよ もう一駅乗ればいいだけじゃない 最終電車でやってきたんだ 隣の駅から最寄り駅までは電車で3分歩いても20分くらいなものだ 迎えに来てくれよ、道がわからないんだ 世話の焼けるやつだ 街から郊外へと延びる路線の住宅街の小さな駅は終電が行ってしまうと人影もめっきり少なくなる。 店の明かりも一つ消え、二つ消えひっそりと夜を迎えている 暗く電気の消えた駅舎を背に街灯の影を伸ばして弟は待っていた

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          ビトゥィーン・ザ・シーツ 4P 今賀園朱鷺が友人の結婚式に参列するために、とある結婚式場へ電車で出かけたのは今朝の事。新婦である友人というのは中学高校と同じ学校に通っていた親友とまではいえないけど今でも年に一度くらいは他の仲間と食事に行くような関係で、ジョーズというあだ名を持っていた。なぜジョーズになったのかはあえてここでは語らない。新郎はというとこれまた高校の同級生でちょっとした顔見知り程度の付き合いはあったけど、街ですれ違っても声をかけないで通り過ぎてしまうような関係性だ

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          ごちゃごちゃとした駅前の繁華街を抜けた先にある雑居ビルの細い階段を上がった先に「ロッケン」というバーがある。 バーテンダーの深爪深夜(ふかづめ しんや)が開店の準備をしていると階段を上がってくる音に続いて顔を覗かせたはコントレイルのオーナーである、今賀園朱鷺(いまがその とき)。 「朱鷺さん結婚式?」 いかにも結婚式帰りであろうパーティードレスに身を包んだ今賀園朱鷺に深爪深夜が声をかける。 カウンターの席に腰をかけて突っ伏しながら 「だんだん人の結婚式に出るのが億劫になっ

          BARロッケン 深爪深夜の物語

          iMac 素人修理編

          突然 iMacが 止まりました。 再起動してもハテナマークが出てきて先へ進まない状況に陥り あれこれネットで原因を調べまくり、外部のHDにUSBメモリからOSをインストールしてようやくマックが立ち上がってくれた。 ほっと一安心するのも束の間、もう一度内臓のHDにOSをインストールしてみようとディスクユーティリティを使って内臓のHDをチェックしたり、コマンドを打ち込んだりして、ちょっと良い兆しを胸に再起動するも、今度はアップルマークから先へ進めない。 何度やってもアップルマー

          iMac 素人修理編

          マックが壊れて次の項をアップする作業が滞っています。 あと少しで完結なのに、、 #鉄紺の朝 #平和を我らに

          マックが壊れて次の項をアップする作業が滞っています。 あと少しで完結なのに、、 #鉄紺の朝 #平和を我らに

          松任谷由実をたどる小旅行(鉄道編)

          前回の荒井由実時代につづいて今回は 松任谷由実となってから、電車や鉄道を感じる曲をピックアップしてみる 時代は80年代まで。 ・かんらん車(流線型80)1978年 ・コンパートメント(時のないホテル)1980年 ・シンデレラエクスプレス( DA DI DA ) 1985年 ・白い服、白い靴 ( ALARM a la mode ) 1986年 ここに取り上げた曲を追っていくと時代と共に彼女の列車、鉄道に対する変化が見て取れるようで面白い。 まず一曲目のかんらん車 「すいた電

          松任谷由実をたどる小旅行(鉄道編)

          荒井由実をたどる小旅行(鉄道編)

          彼女の実家はご存知?八王子。 その八王子にはJRと京王線の二つの路線が乗り入れている。余談だが彼女の荒井時代(独身時代)はJRは国鉄で京王線(京王電鉄)は京王帝都電鉄だった。 ただ荒井由実の曲から京王線は感じない。あくまで個人的主観だけど。 荒井由実時代、電車を感じさせる曲をピックアップしてみる。 ・たぶんあなたはむかえに来ない ・雨のステイション ・天気雨 ・LAUNDRY-GATOの想い出(松任谷名義になっての初アルバム「紅雀」に収録されているものだがおそらく曲を作ったの

          荒井由実をたどる小旅行(鉄道編)

          新幹線から見る百名山 その2

          東海道新幹線の車窓から  前半部分で書いた、丹沢山、富士山、天城山、伊吹山が東海道新幹線の車窓から見える四座ということなのだけど、これ肉眼で誰の目にも明らかな山という視点にたったものだったので、今回は視点を広げ遠く横たわる山々の中にも百名山が紛れているのではないかという仮説に基づいて机上の空論に陥りそうな考察を展開してみようという企画で繰り広げる。  あくまで理論上見えるんじゃないのかというたわごとかもしれないことを先に触れておく。実際、取り上げる山々で己が新幹線から視認で

          新幹線から見る百名山 その2

          新幹線から見る百名山

          移動時間の多くをを埋め合わせるのが、睡眠と読書。その比率は日によって違えど読んで寝て読んで寝てを狭隘なる席で繰り返すのだ。旅情など微塵もない、移動の一場面である。かく言う己の一場面である。 新幹線に初めて乗った頃のウキウキ感はどこにもない、車窓から見える富士山に心躍っていたあの頃を忘れて、つまんない大人になったもんだなと自省してみる。 で、唐突にではあるけれど、新幹線の車窓から深田久弥氏の選んだ百名山はどのくらい見えるのだろうか。 東海道新幹線の車窓から 東京駅から新大阪

          新幹線から見る百名山

          日本国憲法 前文

          朝ドラ感記 戦士した夫優三を思ったのか食べることのできなかった焼き鳥が包まれた新聞に戦後新たに発布された日本国憲法が記載されている。 「虎に翼」のいち場面 戦争を通り抜けた人々の思いの詰まった日本国憲法前文を読み返してみたくなる 日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに

          日本国憲法 前文

          鉄紺の朝 #02

           渓燕流 八橋道場  蒼翠に一筋、炭焼きの煙が立ち上っている。それを時折、気まぐれなつむじが散らして行く。麓から続いている道もついえた辺り、雑木林の中に炭焼き小屋に並ぶようにして檜皮葺きの杣小屋が、樹々に埋もれそうに立っている。  杣小屋の扉が開き、中から作務衣の上着をはだけた、三十半ばの男が出て来て、樹々の間から見え隠れする、山道を登ってくる白装束に目を留めた。  白装束の名は、八橋孝太郎。渓燕流八橋道場、師範八橋蒼辰の次男。  作務衣の名は、定兼吉次。刀工。今は刀を鍛え

          鉄紺の朝 #01

           第一部  御神前勝負    序章     瀬戸内海もいわゆる周防灘といわれるところでは、小島の群れも消えて南は四国と九州の間を通り太平洋へ出、西へ行けば壇ノ浦を抜け玄界灘へと続いている。北にはいわゆる中国山地の西端にあたる小高い山並みが見える。山々は幾多の流れを生み、絡まり、纏まり、川となって瀬戸内の海へと流れ出る。  そのうちの一つに、佐波川がある。国境の山に端を発し、蛇行を繰り返し、時には氾濫しながらも、流域を潤し続けている。  河口に小さな平野がある。西国街道の宿