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サミュエル・ベケット『名づけえぬもの(The Unnamable)』(from Trilogy)
第三作『名づけえぬもの(The Unnamable)』 旧訳にあたる安藤元雄訳では「名づけえぬもの」、新訳にあたる宇野邦一訳では「名づけられないもの」の邦訳となっているが、前回(『マロウンは死ぬ』)と同じくこの記事では旧訳の表記を用いる。
ようやく三部作も完結作までこぎつけたわけだが、なるほど、ここに至って最大の難所にぶち当たった――これが、三部作の評論が極端に少ない理由の最たるものですらあるの
サミュエル・ベケット『マロウンは死ぬ(Malone Dies)』(from Trilogy)
第二作『Malone Dies』(邦訳:マロウンは死ぬ) ベケット三部作の二番目に当たる『マロウンは死ぬ』(サミュエル・ベケットと三部作については別記事、「サミュエル・ベケット『モロイ(Molloy)』(from Trilogy)」参照)について引き続き論評する。旧訳にあたる高橋康也訳では『マロウンは死ぬ』、新訳に当たる宇野邦一訳では『マロウン死す』の邦訳となっているが、この記事では旧訳の表記を用
もっとみる「勇者であるシリーズ」を振り返る
前書き 2014年のアニメ『結城友奈は勇者である』から始まった「勇者であるシリーズ」、当初はメディアミックスとしてイラストノベル『鷲尾須美は勇者である』が並行して連載されたが、全体としてどの規模まで広がっていくかは不明瞭だった。
しかし、アニメ「ゆゆゆ」二期決定、アニメの300年前の世界を描くイラストノベル『乃木若葉は勇者である』の連載等が次々と発表され、「勇者であるシリーズ」の世界は爆発的に広
サミュエル・ベケット『モロイ(Molloy)』(from Trilogy)
文学界の極北、サミュエル・ベケット サミュエル・ベケット(1906-1989 愛)の文才が極致に達したのは、『モロイ(Molloy)』『マロウンは死ぬ(Malone Dies)』『名づけえぬもの(The Unnamable)』の三部作が盤石ゆえで、後世もその見方に異論は少ない――ただし、ベケット自身はこの三作をまったく別の作品と見做しており「Trilogy」(三部作)とは考えていなかったようだ――
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