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Photo by
subarasikiai
夜は短し歩けよ乙女、の頃
自分だって酒に強く、ずっと黒髪です。
出版当時、森見登美彦先生の文章の、
謎の網にすぐに掛かっていた私は、
夜は短し〜 も、速攻読んだのですが、
黒髪の乙女さんには、
珍しくモヤッと、
ヤキモチのような気持ちを持ちました。
酒に愛されててうらやましい!
心配してついてきてくれる人がいるとか、なんて贅沢な!くーっ。
私にとっては1話が印象深くて、
他は後日談のような印象です。
細かいストーリーは、だいぶん忘れているのに、
一緒に夜の街を飲み歩いたような感覚が残っています。
私にとっての、過ごしてみたかった青春がそこにありました。
お酒を飲んでフワフワ彷徨い歩くとか、
リスキーだけど、だからこそよけいに憧れます。
タダ飲みのプロのタダ酒は、実においしそうで、
電気ブランもとても気になりました。
イェーガーマイスターっぽいらしいのも、絶対好み。
お酒って、好奇心とくっつくと、
本当に楽しいから、
乙女さんは、最高にいい感じに
お酒を飲んでいたと思います。
私も30代で、
「これでは憧れのお酒も飲めず終いだ!」と奮起して、
老舗バーに飛び飛んだのを起点に
少しは開拓し、
繁華街を、
もらった伊佐美の一升瓶を大事に抱えて、嬉しそうに小走りで駆け抜けたり、
フランス人のソムリエが説明する
ワインがどんどん出してくる、
酒販組合のイベントに紛れ込んで、
さすがに酔ったりと、
今考えるとなかなか楽しかったのですが、
やっぱり遅かった。
20代にもっと飲みたかったです。
気を取り直して。
忘年会シーズン、
年齢なりに少しでも楽しめるような心構えで、
行きますか。