ここあ先生との邂逅
かつて魔法少女と悪は敵対していた
今期はこれが一番おもしろいんだよ、と嬉しそうに家族が見せてくれた映像で、
原作 藤原ここあ が目に飛び込み、
思わず停止してもらいました。
タイトルを見ると
「かつて魔法少女と悪は敵対していた」
え、新作? 亡くなったかと思ったのは勘違いだったっけ!
しかし残念ながら違いました。
私が子育て真っ盛りで知らなかった、未完の遺作でした。
改めてアニメを覗いて、
絵も話も、昔感じた新鮮さ、圧倒的なキュートさそのままで、
生きてさえいれば、長く続き愛される作品だったろうにと、より惜しく思いました。
この作品を、アニメとして世に出すにあたり、
未完だし昔の作品だし、多分二期は無理だし、あれだしこれだしと、たくさんの難しさがあったと思いますが、
踏み込んだ企画制作の皆さんの勇気に、
拍手を贈るしかないです。
ただ、未完とはなってしまいましたが、
まるでそれを見越していたかのような、
ラストを指し示すタイトルが付いています。
だから、どうやっても作者の意図から外れる結末になるはずがないと、
信じていられるのは、
…言葉が見つからないけど、先生に感謝します。
話としては、
キャラの魅力と関係性が全てみたいなものですが、
万全の魅力にあふれており、いっそティザービジュアルだけでも
「ああ、成功」と思えます。
声も完璧です。
ヒロインの圧倒的可愛らしさを前におこがましいですが、
貧乏から絞り出されるセリフはいちいち
「そうだそうだ」と共感できて秀逸。
食べ物もらったら相手を好きになる気もちもよーく分かります!
心からこちらを思って、食べられる物をくれる人はいい人。
背景はどうでも、大概なにも問題ないですね。
まあ、私は貧乏症が持病で、
過去お付き合いした人は、印象的だった食べ物の素敵さが評価みたいな所があるので、娘にはなにも教えられないのですが。
脱線しましたが、という訳で、
ヒーローならぬ悪役さんの、
その真面目さと有能さ、思いの深さ、
そして手土産のセレクトは、
老若男女 全方向を魅了できる、
素敵さを備えています。
そんな2人が繰り広げる四コマ漫画原作の物語は、テンポ良く軽やかなんだけど、
立場を超えて手を伸ばし合うストーリーが、
適度な甘さのファンタジーとして、
不透明さが増す現在こそ、
より暖かさが引き立つように思います。