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ブロック塀の上の子供たち

あくまで子供の話で、昔のおおらかな時代の話ことですが、
ブロック塀の上に登るのはセーフだと勘違いしていました。

もちろんプライベートが見えるような場所には登らず、
公共の建物や、友達が住んでいる団地の庭周りとかですが、

今考えたら、本当は誰かの設置物。
マズイ。

でも誰にも怒られるようなことは有りませんでした。

子供は猫並みに、
言っても理解ができない生き物だと思われていたのかもしれません。

反対に登られたくない塀は、
上が丸くなっていたり、瓦や鉄骨を載せていたので、
そうでない塀は許容あり、
くらいの空気感でした。

道が狭いところは、
車が危ないからブロック塀の上を通るほうが安全、
みたいな現実もあり、

大雨の時の帰り道として、
親もブロック塀の上を前提としてる場所もありました。
車に水もかけられないですし。

ただし、もちろん落ちたり、
怪我しても完全に自己責任

子供たちは、自分の背より高い塀に、
ちょっとした足がかりを見つけては
ヒョイヒョイ登っていました。

登っても大した事をするわけでもなく、

ひたすら行ったり来たり歩いたり、
どんぐりとかの宝物をキープしたり、
カタツムリを眺めたり、
塀の上でおままごとなんてのも。

あと、なぜかよく友達と塀の上で宿題をやっていました。

待ち合わせも
「塀のとこね」と言っておけば、
早く来たほうが登って座っているので、
行き違いになりませんでした。

男の子はチャンバラしたり、曲芸したり、
危ない事も色々やっていて、
なかなかハードでした。

そんなでしたが、
年上の子供から下の子供に、
怪我をしない落ち方とか、
いい塀とかが、伝わっており、

周りには特に怪我をした子供もいませんでした。

あと、ちゃんとした塀は多少の事では壊れない、
という事も事実として、
そうなんですよね。
これくらいはイケる、が言えてしまう…


そんなこんなで、
昔の子供は感覚として、
生活圏で いざというときに自分の今の能力で登れるもの、を
把握していました。

洪水の多い土地でしたが、
急に水が来ても、
塀に登れれば反対側はまだ大丈夫なので、
ササッと逃げることができました。

今現在、自分の子どもには、
塀には登るな、としか言えません
が、

この子達はいざという時に、
塀にも登れないし、
登るという判断をサッとすることも
できないような子供たちだと思うと、

それはそれで心配です。


あと、比喩で
「壁を乗り越えろ」とか言うのに対し、
私はブロックの壁を乗り越えるイメージがいくらでもできますが、

でも子供たちは乗り越えさせてあげられてないのに、
どうやってイメージするのかな?

ゲームかな?
リアルじゃないなあ、
と思います。




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