原書房の「リキュールの歴史」
今年は私にとって十何年ぶりかの連休で、子供も大きくなったので、
家でお酒が飲めるかな?と思っています。
なお、普段は仕事上のお付き合い以外のお酒は飲みません。
コスパを考えると、酔い覚めタイプのザルだから論外だし、体力と筋肉だけは削られる気がするのです。
しかし、アルコールは多面的に魅力的な液体です。
化学的性質もすごい。
あれこれ溶解する包容力・抽出力も、
防腐能力も人毒性の低さも、有用性の塊。
文化的にも多彩で語り尽くせないです。
なにしろ製造に長い長い物語があるところが良いです。
ウイスキーや日本酒はもちろん、缶チューハイにも、楽しさを形作ろうとする人の思いを感じます。
そんな中、私が一番心惹かれるのはリキュールです。
若い頃は、数少ない趣味として、老舗バーの企画に乗っかって、一通りのカクテルを作りましたし、
酔わない体質を利用して、
珍しいお酒が飲める時にはガンガンいきました。
社長が色々味見したい時の、
片付け係になっていた時もありました。
味の好き嫌いも少なく、薬草系のリキュールも好みます。
特にシャルトリューズは、憧れ込みで、
飲める時は嬉しがって飲んでました。
味も色も名前も、なんであんなに綺麗なのか、不思議でならないです。
原液3種を飲み比べをさせてもらえた体験が忘れられないです。
そんな思い出を蘇らせてくれたのは、
表紙の写真を使わせていただいた、
原書房の「リキュールの歴史」です。
リキュールでこんなに文が書けるかというくらい字ばっかりですが、
とっても楽しく一気読みしました。
原書房、だけで分かる方には分かると思いますが、
歴史といえばの、ちょっとクセのあるあの感じです。
でも、最近のリキュール
ヒプノティックまでカバーしてて、
私にとって未だに新顔なものが、
原書房の歴史になるなんて、
ちょっと衝撃的に年月を自覚しました。
とにかく、出版社のカラーとテーマの相性が良すぎて、
作家のリキュールから各時代の世相を切り取る分析力も冴え渡っていて、
バーテンダーは必読かと。
一客としての個人的思いとしては、
「一度でいいからオーセンティックなバーで本を読みながらつぶれてみたい」
そんな妄想のお供にふさわしい本です。
私はどうせアルコールからはすぐ復活してしまうのですが、
1人で、自分のペースで、本をお供にすることができれば、別の意味で酔えそうな気がします。
noteも、最近なんだか自分が意図してたのよりまじめになってしまうし、
しこたま飲んで書くくらいで良いのかもです。
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