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あなたへ~深夜のつぶやき~

あなたに届けたくて
お手紙を書こうと
向かうのだけれど
どうしたことか
書けません。

あの朝
あなたのことが気がかりで
メールしたけど
言葉足らずで
却って 傷つけたかもしれないと
思いながら でも、今 また
あなたへの言葉がみつからなくて。
あなたに 差し出すには
あまりに それは無力で
色褪せたように 味気なく
私の思いをはねつけるのです。

まるで、昨日までは
私の隣で笑ってて
温もりを感じられてたのに
今日は そこにいないみたいで
こころがすかすかします。
あなたが
まるで モノクロな群衆のなかに
紛れ込んで 私の前から
消えて行くようなのです。

「どこにもいかないよね」
聞いたけど あなたの唇は
少し
動いたけど そのお返事は
雨が かき消しました。

今朝 言ったあの言葉の意味はね。

その言葉が 力なく風に舞い
消えて行きそうなんです。

あなたの背中に向かって
「ねえ 待って」と
声を出して呼ぶのだけれど
届いているのかいないのか
虚しく佇んでいます

もしかしたら
駆けて行って
傍にいって星の話などをして
ほのかなぬくもりを
感じられたら

そんな他愛ないこと考えてる


ああ
自然界は 素直ですね
知らぬ間に 庭の薔薇は開き
一雨ごとに伸びてく草木たちは
なんのことばも持たずとも
光って見えます。
雨上がりの雨粒が、わずかな陽でも
浴びて輝くように
変哲もないことが ただ光って
愛しく美しいです。

「ごめんね」でもなく
「そうじゃないの」でもない
あなたのこころに
まっすぐ届く言葉が
ほんとうにないのでしょうか。
   
      2023年6月末日23時記


 

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