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土用の日、うなぎ?を食す
孫への土産を買おうと、久しぶりにドーナツ屋に入る。
相変わらず、色とりどりの種類のドーナツがあって、トングの行先が定まらない。
あれ、いいな、これも、美味そう。
思った以上の個数が乗ったトレイを、レジに持って行く。
以前は、一個一個丁寧に、ペーパーに包んでくれてたはずだが、そのまま箱に詰めてくれる。
まあ、ええけど。紙代も手間もケチりだしたんかい。
ん?てか、ドーナツの大きさがえらい不揃いやんか。
よく見ると、大好きなクリームが入ったドーナツの大きさが、明らかに一回り小っちゃくなっているで。
残念!
という前に、お店の方はこれで、懸命に努力してまっせと、涙ながらに訴えているように感じてしまった。
スーパーでは、白菜を1/8カットで売っていた。
半分でもなければ、1/4カットでもない。
その1/8カットが200円あまり。
200円だけみれば、高くなさそうだけど、一束だと千円以上となる計算だ。
肉でも、魚でもない、松茸でもない。
白菜一束が千円!である。
ちょっと気がひけてしまう。
いずれ、元々の野菜の形さえ、わかんなくなるのではなかろうか。
「ほんと、何もかも、あきれるほど高くなってきたわ」
と家でコーヒーを飲みながら、出ていたお菓子をつまむ。
『チーズアーモンドおかき』
一口サイズのおかきの上に溶けたチーズが乗っていて、その上に一個のアーモンドがくっ付いている。
おかき、チーズ、アーモンドの三種の個性がそれぞれ生かされており、絶妙なハーモニーを奏でててる。
お手頃価格で、とっても美味しいお菓子である。
湿気ないように一個ごとに包装されてあり、包みを開けて口に運ぶ。
ん?ハズレ?
アーモンドが取れていたのか、アーモンドの味がしない。
もう一包を手にとり開ける。
え?これもアーモンドないやん。
よく見れば、おかきの上には、チーズしか乗ってない。
入っていた袋をよく見る。
すると、大きな字で
『チーズアーモンドのアーモンドが無いおかき』
と書かれているではないか。
更に、少しでも罪の意識に耐えかねないのか、
『アーモンドがなくてごめんなさい』
とまで謝っている。
ま、そりゃあそうだけど、そこまでするんかい。
イチゴ大福、いちごなし。
ビックマックバーガー、ハンバーグなし。
アップルパイ、りんごなし。
ちょっと何か足らんが、安うてとってもおいしいでえ!
と、こんなんでええんならこっちでも作れそう。
土用の日
うな重をたのんで、うなぎの上に山椒がのっていないのとは訳が違う。
重箱に、うなぎのないご飯だけの上に、うなぎのタレがかけてあり、その上に山椒がふりかけてある。
どう、よう、こんなうなぎのない、うな重は?
「昔、じいさんが若かった頃は、土用の日に暑気払いとして、うなぎを食ってたらしいよ」
「ほう、うなぎをなあ。それで、うなぎは絶滅したんかい」
「味は今、スーパーで売っているあの『うなぎのタレ』ちゅうやつか」
「ごはんの上にかけて食べるんじゃなく、本当のうなぎにかけて食べてたらしいわ」
「それで、うなぎのタレちゅうんかい?」
なんて日が、くるんかいなあ。
今のうちに、清水の舞台から飛び降りたつもりで、ホンマのうなぎを食っとこか!
7,800円!
清水の舞台に上がったのはいいが、あまりの高さに、飛び降りるどころか、震えて動くことすらできなんだ。