実らない秋
夏の間、紅と白の2本の百日紅が、鮮やかなに咲き誇っていた。
紅白なので縁起がいいんだと、かつて親父が言っていた。(が、特にいいことは起こってないような気がする)
6月に紅い百日紅の方にうどん粉病が出たので、残念だが今年は諦めようとばっさりと枝を落とした。
しかし、樹木の生命力には目を見張る。
8月になると切った木から枝がぐんぐんと伸び、なんと紅い花が咲いた。
それも白い百日紅より花が多く咲いた。
どうなっちゃった?
樹木を剪定する際、恐る恐る少しづつ切るのではなく、思い切って切る方がよりよく育つと言われる。
が、
生きてるものをそんなに切って、枯れるんちゃうかと仲々躊躇い切れるものではない。
「手入れ」という言葉がある。
「よく手入れがされている」とか「手入れが行き届いてない」とか物を良くしておくために整備する行為として使われる。
樹木を剪定する時に、伸びた外側の枝だけを切って、見た目には綺麗に整えてはいるが、実はこれは本当の剪定になってはいない。
手を木の中に入れ、伸びた枝の幹の付け根部分から切る。
まさに文字通り「手を入れる」こととなる。
木の中に手を突っ込む訳だから仲々面倒いがこの手間こそが、本当の「手入れ」となる。
ただ今回は花を諦めた分、すっぱりと枝を切る事ができた。
ほぼ丸坊主になった。
それが、咲いちゃった!
予想だにしなかったので嬉しいけど。
11月になり、
今年は台風らしきものも来ず、長らく目を楽しませてくれたその紅白の花も散り、すっかり周りの広葉樹は茶色の枯れ葉となった。
秋の景色
例年なら、その中に朱色の柿がたわわに実っているはずなのに、なぜか一個も付いていない。
多い時には200個、少ない年でも20個余りは必ず出来ていたのに。
どうなっちゃった?!
そういえば、梅も実らなかった。
例年、実がなって梅酒や梅干しを作るが、今年はそういえば何もしなかった。
待て待て、イチジクもブルーベリーも全然実がなってない。
一体どうなっちゃった?!
ニュースではカメムシの異常発生が原因と言ってたが、一個もできないってことある?
やっぱ暑すぎたから?
いつものように肥料はやり、いつも以上に毎日水をやったのに。
夏日がいまだに続いてるし、実りの秋どころか秋が無いんとちゃう?
実のらない秋
たかが小さな庭に植えてる程度の木々だから、今年はできなかったわで済ませる事はできるけど、
これ生業としている農家の人だったら、やばいんちゃう?
台風や異常気象で被害が何百とか何千万の損害が出たと他人事のように報道されてるが、、
保険なんかあるんやろうか。
お店で一個500円の柿を見て「高っか〜」
と手が出せない値段になっているが、恐らくこれでも採算取れてないんちゃうかと人ごとながら心配になる。
高くても食べれるだけ感謝せんといけんわな。
いつの日か
秋になると、昔は、柿や梨、りんごをよう食べてたもんや。
それが今では、松茸より高くなって、庶民の口には入らんで。
柿食えば、金がいるなり、法隆寺
なんてことになっているかも。