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1月6日(2003年) 胸を打たれた1分間の沈黙

ミスターレッズ・福田正博が引退会見を行なった。「福田が他チームでプレーするのは見たくない」「燃え尽きるまで(他チームで)現役を続けてほしい」。サポの意見も二分していたが、「他チームのユニを着る自分が考えられなかった」旨の福田の会見での発言に、引退を悲しみながらもホッとしている自分がいた。私も「他チームのユニを着てほしくない」派だったからだ。

この日の会見はリアルタイムで見た訳ではなかった。スポーツニュースなどで断片的に幾つかのシーンを見ただけである。その中でも私が胸を打たれたのは、記者から「サポーターに何か言葉ありますか」の質問を受けた時だ。福田は見る見る目に涙を浮かべ、感極まった表情を見せた。回答を発するまで約1分間続いた沈黙に、私も涙した。この福田の言葉を発せなかったシーンは、今でも脳裏に深く焼き付いている。

鈴木啓太も「僕には浦和以上に愛せるチームがありません」と言って、数チームからのオファーを蹴って引退への道を選んだ。福田の引退会見と通じるものがあった。「浦和の男」は「浦和の男」として現役を全うしてほしい。多くの選手が「浦和で引退したい」と思えるようなチームであり続けてほしい。また、そんな選手が何人も出てほしい。昨日、ユンカーの名古屋へのレンタル移籍内定発表の報に接していた事もあり、余計にそう思う。

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