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2024年は大阪で開催!LGBTQツーリズムのプロフェッショナルが集結する「IGLTA年次総会」とは

 新通観光プロモーション戦略室の武田です。
 今から半年前、3月のニュースですが、

大阪でLGBTQツーリズムの世界総会、2024年に開催へ、大阪万博に向けて受け入れ都市として名乗り(2023年03月15日、「トラベルボイス」)

という記事が掲載されました。
 「LGBTQツーリズムの世界総会」とは、「IGLTA年次総会」を指します。この「IGLTA」ですが、こちらは「国際LGBTQ+旅行協会」の略称で、LGBTQツーリズム普及のため、1983年に創立された旅行業団体です。世界80カ国に2000以上のメンバーを抱え、旅行会社やホテル、航空会社などが加盟しています。LGBTQツーリストが旅行先を選ぶ際には、LGBTQに対して偏見が無かったり、積極的な取組をしていたりするなど、いわゆる「LGBTQフレンドリー」な地域や施設を求める傾向が強くあります。情報量が少ないLGBTQ市場に対しマーケティングアプローチができ、貴重な情報源となっているため、例えば旅行会社が商品を企画する際のホテル選定など、LGBTQツーリズムマーケットに多大な影響を与えているのが「IGLTA」という団体です。

アジア初!大阪で開催される「IGLTA年次総会」とは

 そのIGLTAが毎年、LGBTQツーリズムの講演や調査発表、商談、ネットワーキングを目的としたパーティーなどが行われるLGBTQの旅行コンベンションが「IGLTA年次総会」で、ツーリズム事業者やメディアなど毎年700人以上のIGLTA会員が集まります。
 開催地は、本部があるアメリカ国内(自治州含む)とアメリカ以外の国で1年おき選定され、昨年2022年はイタリアのミラノ、今年は10月にプエルトリコで開催されます。

 そして2024年は大阪でこの「IGLTA年次総会」が開催されるわけですが、これは意外にもアジアで初の快挙となります。
 以前こちらの記事(注目度が高まるSDGs時代の新たな観光プロモーション「LGBTQツーリズム」とは(後編)、2023年6月28日配信)にて、日本は世界的には「LGBTQフレンドリーな旅行先との認識が薄い」と書かせて頂きましたが、大阪は観光DMOである公益財団法人大阪観光局が中心となり、理解・啓発セミナーなどLGBTQに対する受入環境整備に向けた取組や、旅行会社やメディアを招請したファムトリップ、そしてプロモーションや観光コンテンツ造成など、年次総会誘致に向け時間をかけて積極的に活動を行ってきました。こうした取組がIGLTAに評価され、今回の誘致成功に結び付いたといえます。

2022年開催のIGLTA年次総会・ミラノ大会で、総会誘致を目指す大阪が参加するIGLTA会員に向けプロモーションを展開した。

「LGBTQフレンドリー」な旅行地としての大阪、そして日本へ。


 「IGLTA年次総会」の開催地として選ばれたということは、すなわちLGBTQツーリストたちにおススメできるLGBTQフレンドリーな旅行地として大阪が「公認」されたことを示しています。
 そして大阪だけではありません。2024年のIGLTA年次総会はJNTOや、東京・北海道・石川県・福岡県など、日本全体でこの大会をバックアップしようと準備が進められています。世界中のLGBTQツーリストたちに、「日本」が魅力的な旅行先として認知され、そして多くの方が訪れることが大きく期待されます。

 日本ではまだまだ発展途上のLGBTQツーリズムが、大きく「化ける」可能性がある来年のIGLTA年次総会・大阪大会。是非、注目して頂きたいと思います。




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