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猫たちの思いで 3 みらい
みらい 過ごした日々
2002年の10月にやって来た猫、みらい
サイエンスダイエットを食べて、すくすくと育った。色々な初めてがあった。
初めてのプリンター、驚かそうと思ったわけではないのだが、プリンターの脇で遊んでいたみらいは、ガコガコと動き始めたプリンターに文字通り飛び上がった、大笑い、でも驚いたのは一回だけ
初めてのピアノ、鍵盤の上歩いてみる?と抱き上げたら、自分から前足を鍵盤に勢いよくついて、パーンと音がしたら驚いて2度とピアノに近寄らなくなった。
初めての毛糸玉、じゃれる用に毛糸玉を渡して、次の日の朝、よほど走り回ったのか、1階から2階まで、家中に毛糸が張り巡らされていて、どれだけ動き回ったのかと思った。写真を撮ればよかった。
初めての雪、この辺りは冬は数十センチの積雪となる、縁側から雪の中に落としたら、驚いたように直ぐに戻ってきた。だんだん外に出るのを覚えた頃、雷が鳴ったときは、窓の下で腰を抜かしていた。
猫には色々な性格があるが、みらいは、本当に愛想のない猫で、抱っこも撫でられるのも嫌い、呼んでも来ない、食べたい時だけにゃーとかわい声で鳴いて人の顔を見上げる。それでも、無理に抱き上げると迷惑そうな顔で30秒くらいじっとしてはいるが、直ぐに身体をひねって逃げて行く。
椅子に腰掛けていると、1日に一回だけ脇を通り過ぎる時に、しゅっとしっぽで触れて行く、それが唯一の愛情表現。
夜は4人いる家族の布団を渡り歩く、眠っていると、とんとんと階段を登って来る音がして待っていると、しゆたっと布団の上に飛び乗り気持ちのいい重みが伝わってくるが、しかし、朝までいることはなく、しばらくすると他の誰かの布団に移って行く。器用に布団に潜り込んで来ることもあるが、人に直接触れないように布団と毛布の間にいることが多かった。
たまたま、朝布団にいるターンの時は先立って階段を たとん、たとんと一段ずつ降りて、途中で振り返って私の降りて行くのを待っていた。
家族それぞれに、スキンシップの取り方の手順が決まっていて、家族それぞれ決まった触れ方をしていたような気がする。私の場合は両手で顔をつかんで、グニグニとなでる時は、逃げなかった。
あと、台所で作業をしていると、引き戸の外で鳴いて入れてくれと鳴く、入ってくると足元でゴロゴロして飽きるとふと、去ってゆく。小さい子供のよう。
お盆の為になど、床に広げて花を生けていると、何をしているの?と必ずやってきて、花の匂いをかいでいたのは、懐かしい思い出。私以外花に興味がなく、みらいだけが見に来てくれた。
きっと、家族それぞれ、自分はみらいとこんなことをしたという、独自の想い出を持っているのだろうな。
年を経るにしたがって、にゃーと鳴いてご飯を簡単にくれるのは、お父さん、トイレを掃除してくれるのはお母さんと、役割分担がきまって行った。
思い出はいくらでも出てくる、うちに猫がいた事が、どれだけ豊な事だったのだろうと思う、またも長くなったのでここまで。
この後、人間の都合で転居する。