ものぐさの遊び②《帯揚げを染める》
こんにちは、ものぐさ和裁師です^^
そろそろ夏が終わるということで、今期はもう一度だけ帯揚げを染めてみることに致しました。
前回に染めた帯揚げはこちらからお読みくださいませ↓↓
◯染料
染料はお馴染みの『蓼藍』こと、藍染料の元となる植物です。
この葉の部分を使って染めるのは基本『青色』ですが藍の紫染めに興味が湧いたので挑戦してみることに。
◯準備開始
まずは染めたい素材の準備から。
使われなくなってしまって何年も経過したような襦袢を甦らせてみようかと。
まずは全て解いて一枚の状態にし、洗って出来るだけ綺麗にして。
帯揚げにできそうな部分を見繕って絞りを施すことに。
素材の準備ができました。
◯染料の準備
8月に入り炎天下に植えている蓼藍の葉も太陽の日差しには勝てないのか、段々と成長速度も弱まり所々に枯れが目立ってきましたので急いで準備をしました。
これを太陽の力を借りて発酵させたのがこちら。
水は黄色と青色と茶色の混ざったような色味に。匂いは臭くはなく葉が発酵された良い香りがします。
色は濁って見えますが緑色に近い異様な色味。
これを煮出していきます。
因みに葉を発酵させていたバケツは綺麗な藍色に染まりました♡こんな副産物にトキメキますね^^
匂いが好きな人には堪らないと思います。
◯染色
煮出すと泡がかなり出てきます。
生藍染めのときもそうでしたが、藍染を行う時は火のある無しに関わらず泡が出てきます。何の作用で湧き出てくるのかしら?
生地を投入して色を見ると赤紫色が若干出て参りました。
暫く混ぜていましたが、色にムラ(↑写真2枚をご覧ください)が有ったのは何故なんだろうか?謎が多くて本当に面白い。
水で洗って、絞りを解いて乾かします。
染め始めた最初の赤紫色は退化してしまって灰に近い色味になりましたが、赤みのある灰紫色に染め上がりました^^
藍の葉で赤みが出たという意味では成功でしょう。
今回は葉と水しか用意しなかったのですが、来年はもっと違った色味が出る様に少し工夫を加えて挑戦していきたいと思います。
襦袢一枚でも染められるような気がしてきました。こんな時リユース着物が安く売られていることに感謝したくなります。
こんな良い時代に生まれてこられた事にも感謝です🙏✨
以上雑多な文章でしたが、この辺りで失礼します。
ものぐさ和裁師でした🪡
参考資料
◆牛田智 「生葉染色の化学的な観察とその実際方法-藍の生葉染めによる絹の紫染め」、染織αNo225、p64-67 (1999)
◆牛田智、谷上由香 「藍の生葉染めにおける絹の赤紫染色の条件」、日本家政学会誌、49巻、9号、p1033-1036 (1998)